三角ビル

超高層ビルが老朽化で「大規模改修中」とは時代は巡るものです。
行ってきましたのは、新宿住友ビル48階の京料理「美濃吉」さん。
国際観光日本レストラン協会関東支部の総会でした。私は副支部長ですが、今回の出番は乾杯の音頭だけで楽をさせていただきました。
さて、新宿住友ビルは「住友三角ビル」と言った方が思い出す人が多かろうと思います。日本超高層ビルの中の老舗です。
竣工は1974年。完成当時日本一の高さを誇り、大変有名でした。また日本の高層ビルで初めて200mを超えたビルでもありました。
そのビルが今2020を意識して、大規模改修中とかで入口がだいぶ制限されたり、使えないエレベーターがあったりしました。
思えば、このビルは1975年竣工の「ちんや」ビルと同世代です。あちこちにガタがきているであろうことは容易に想像できます。弊ビルも、おととしエレベーターの付け替えをしまして、目ん玉飛び出るほどの額の投資をしたものでした。が、そういうショボい話しは、この辺にして、そう、お料理です。
お料理は、初夏の京名物が目白押しの内容でした。
一晩の食事の中で鱧、鮎、賀茂茄子という同じ食材が繰り返して登場して、印象が強い食事になりました。
鮎は、この時季ですから、未だ若鮎で、それを料理する前に、竹筒に入れて生きたまま運んできて客に見せ、それを後で焼いてまた持って来るというパフォーマンスもありました。
美味しくいただきました。ご馳走様でした。

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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ちょい食べ亭

まだ時期と詳細が未確定なので「予告」段階ですが、今夏をめどに、
「ちんや」直営レストラン「ちんや亭」を、
「肉の食べくらべレストラン」として再出発させようと思っています。
<すべての肉メニューに「ちょい食べサイズ」(=ハーフサイズのこと)をご用意することに致します>
これにより1種類の肉だけでなく、あれもこれも「ちょい食べ」していただくことが可能になります。例えば「適サシ肉」のサーロイン・ステーキだけでなく、赤身肉のモモステーキも、それぞれハーフずつ食べるということができます。あるいはハンバーグを「ちょい」、すき焼きを「ちょい」も、もちろんできます。
肉の食べくらべを楽しんでいただければと思います。

<「ちょい食べ」は「ちょうど良いガッツリ」も可能にします>
お肉をガッツリ食べたいけど、1人で2人前食べるのはさすがに多過ぎるなあ・・・とお思いの方にも「ちょい食べ」は朗報です。レギュラーサイズに加えて「ちょい食べサイズ」もご注文いただけば、1.5人前の「ちょうど良いガッツリ」が実現できます。どうぞ、挑戦なさって下さい。
名前もその内「ちょい食べ亭」にしようかな。商標確認しなきゃ(笑い)
請う御期待です。

<ごはん・みそわんは>これに伴いまして肉メニューの本体価格から分離して、別途ご注文いただく形にする予定です。
<従来と同じ食べ方をなさりたい方もご安心下さい>
レギュラーサイズの肉メニューに加えて「ごはん・みそわんセット」をご注文いただければ、従来とほぼ同じ内容を、ほぼ同じ値段でご用意できるように致します。
<食材は現在と同じです>
*全てのメニューに、充分な肥育期間で育てた、黒毛和種のメス牛のお肉を使ってまいります。
<店舗設備、営業時間も現在と同じです>
設備:ちんやビル地下1階、カウンター席16席
定休日:火曜日と水曜日(浅草の催事日には営業)
営業時間:11時30分~15時(ラスト・オーダー)
ご予約:承らず、先着順にてお席へご案内いたします。

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

浪速の味

先日の第29回すきや連の記事が産経新聞大阪版に載りました。東京の方は読めませんので以下に転載しますね。
「すき焼きには難波葱」
全国各地のすき焼き料理店や農畜産関係者でつくる「すきや連」の例会が大正8年創業の「はり重」(大阪市中央区道頓堀)で開かれ、昨年「なにわの伝統野菜」に認証された、「難波葱」を使ったすき焼きが会員ら約60人に振舞われた。
すきや連は平成20年に東京在住のフードジャーナリスト、向笠千恵子さんが『すき焼き通』(平凡社新書)を刊行したのを機に、「すき焼き文化をもっと広めよう」と設立。東京や熊本など各地で年3回、例会を開催している。
今回の会場は、かつて難波葱の産地だった大阪・ミナミ。「なにわ伝統野菜復活の会」の難波りんご事務局長(63)が
「明治初期の難波駅周辺には広大な難波葱の畑が広がり、鴨なんばの由来になったとされている。強いぬめりと香り、濃厚な甘みが特徴」などと紹介した後、参加者は「浪速の味」を堪能した。(終わり)
この記事に掲載された写真には私も写っていましたが、このブログは「字だけブログ」なので悪しからず。

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

北海道と松阪

旧知の歴史小説家・河治和香先生が新作を発表され、その出版記念会がありましたので、参加しました。
和香先生は、これまで「有名」とまでは言えないが、ユニークな歴史上の人物を小説にして来て、以前「駒形どぜう」さんの三代目越後屋助七を主人公にした小説『どぜう屋助七』を書かれたことがありました。(ちなみに当代は七代目)
その『どぜう屋助七』の中で、「ちんや」の先祖を登場させていただいたことをキッカケに、弊店へもお越しいただいたりしています。
今回の記念会の会場はアサヒビール本社のゲストルームで、当然アサヒさんのゲストしか入れない所ですが、その会場も「駒形」さんのツテで取ったようです。
さて、その和香先生の今回作は、
『がいなもん 松浦武四郎一代』。
江戸後期から明治にかけて北海道を六度探検し、北海道の名付け親になったとされる松浦武四郎(1818~88年)の生涯を描いた作品です。
出身地は松阪。当時の松阪は伊勢商人の街で、牛は未だ盛んになっていないので、私が招待されてはいますが、牛は関係ありません。
記念会当日も、北海道と松阪の話しということで、両市・道の関係者が参加していて、合同地方創生の感がありました。
話しの中に登場するということで、豆腐料理「笹乃雪」(根岸)のご主人や「長命寺桜もち」(向島)のご主人も見えていました。
出版&ご盛会誠にお芽出とうございました。
皆様、是非ご購読を。
『がいなもん 松浦武四郎一代』(小学館)
ISBN-10: 4093865108
ISBN-13: 978-4093865104

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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あんこう鍋とワイン

「いせ源」さんのあんこう鍋とワインを合わせて来ました。
神田連雀町の「いせ源」さんは、天保元年(1830年)のご創業。あまりにも有名な、あんこう専門店です。
当代のT川さんは同窓で、最近「料飲三田会」に入会して下さったので、メンバー有志で行くことにしたのですが、同行の諸氏はワインの専門家。
うーん、日本の、醤油ベースの鍋物って、ワインと合わせ易くはないですよね。
あんこうは勿論魚で、しかも身の味わいが淡泊ですから、ワインは白かと思いきや、味つけは割り下です。その割り下というものは、醤油という醗酵食品がベースですが、そもそも日本の醗酵食品は、味噌も納豆も、ワイン特に白ワインとは合わせづらいと思います。
醤油には、熟成の進んだ赤ワインで、担任が弱めのもの、いや、タンニンが弱めのものが良いと勧める人が多いようです。
すき焼きも、肉だからといって強い赤ワインを当てるとダメでして、「割り下による煮物」という性格が結構感じられますので、穏やかな赤が良いのです。肉自体も養殖ですしね。
今回は5本ほど試しましたが、北海道余市ピノ・ノワールが良いように思いました。
意外と合ったのはシャンパンでした。シャンパンは醗酵過程がワインと少し違い、旨味成分、糖質、乳酸が多いので、同じく糖質と乳酸が多い割り下に合うと言えます。
あー、結構飲んだなあ。うーい、ひっく。

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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素敵なパパの歌

6月17日は「父の日」です。
「父の日」にはすき焼きを!
と言いたいところですが、テレビでは
「父の日」にはステーキソースを!
と言っています。
言っているのは日本食研さん。
女の子に「素敵なパパの歌」という歌を歌わせ、その歌をYouTubeにもアップして連動させる方式の広告のようです。
このソースが結構なのか、私は食べていないので存じませんが、ソースのベネフィットとして「娘さんとの楽しい食事」を設定するという方向性は結構なものだと思いました。
でも、「父の日」にはすき焼きですよね、やっぱり。
娘さんとすき焼きを!

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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「Riceyな酒」と「適サシ肉」の会!

「Riceyな酒」と「適サシ肉」の会!
~あまりに似ている酒と肉、一気に腹に収める日
を開催します。

磯蔵酒造創業150年記念
+日本酒文化専門店・浅草「窖」開店1周年記念
+住吉史彦ブログ連続更新3.000日記念
です。

このたび磯蔵酒造・磯貴太さんにお願いして、磯さんの「Riceyな酒」と、弊店の「適サシ肉」を合わせる会を開催させていただくことになりました。どうぞ、ふるってご参加下さいまし。

この企画を思いついたのは、磯さんが150周年を機会に作られた冊子『これだけは一斗句(言っとく)』を拝読した時です。「Riceyな酒」の考えと「適サシ肉」の考え方が酷似していたのです。そして、商いについての考え方も。

およそ、旨い食べ物を造るには、バランスあるいは塩梅が大事ですが、
当節「売り」(=セールスポイントのこと)を際立たせるために、過剰な「こだわり」を言いつのる造り手さんが増えました。
肉の場合、「こだわり」は「A5」(=過剰なサシ)でした。

私は昨年1月に、霜降りと赤身のバランスが良い肉を使うと宣言(=「適サシ肉宣言」)して、その流行りから脱出させていただきましたが、その件は、おそらく各種の報道やネットの拡散でご高承と存じます。

そして酒の場合は超高精米(=「磨き」)が、それですね。
過剰に磨けば、たしかに希少性は増しますが、米の表面にある、苦味・渋味・酸味が全く無くなってしまい、甘辛いだけの飲み物になってしまいます。

それを持て囃しているのが、当節の東京市場ですが、
皆さん、自分の舌で味わって、心底、その酒が旨いですか、ね?
その点、磯さんの「Riceyな酒」は旨いです。「Ricey」の字義通り、米の多様な魅力が割拠していて、それがバランスしています。

その酒を、今回は初夏ですが、「ぬる燗」も致します。
超高精米酒は甘辛いだけの飲み物なので、どうしても冷やすのが良いわけですが、「Riceyな酒」は旨いので、「ぬる燗」が良いです。
初夏に、すき焼きと「ぬる燗」!
自分で言うのもなんですが、粋な催しですねえ。

冊子『これだけは一斗句(言っとく)』(磯貴太著)
もちろん当日配布いたします。

シニアな酒徒のご参加を期待しています。

<「Riceyな酒」と「適サシ肉」の会>
日時:平成30年6月24日(日曜)15時30分受付開始、16時開会、19時30分閉会予定
第一部:磯貴太VS住吉史彦トークショー(1時間程度)
第二部:すき焼き大宴会
*他の参加者の方と、四人一組で鍋を囲んでいただきます。席割りは主催者に一任願います。

会場:浅草「ちんや」
東京都台東区浅草1-3-4 浅草雷門通り
電話:03-3841-0010
http://www.chinya.co.jp/
会費:10.000円(すき焼きと日本酒3合程度)
*当日現金で申し受けます。
会場:和室、着席性
定員:40名様、先着順
主催:株式会社ちんや、磯蔵酒造有限会社

申し込み方法:以下のメルアドへ、ご芳名・住所・電話番号・参加人数をお知らせくださいませ。
chinya@alto.ocn.ne.jp
準備の都合上、21日木曜日までにご連絡下さい。

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見込み生産

食品ロス削減に関わっておられる方のおっしゃることは、実に耳が痛いです。ご提言のかなりの部分は実行し難いと思ってしまうからです。
「ちんや」の飲食部門では、お客様から事前にご注文をうかがうか、あるいは店に見えてご注文をうかがってから用意しますが、肉の小売り部門は、見込み生産で、その見込みがどうしても外れます。
おそらくは見込みを止めない限り、ロス削減にはならないのですが、お客様の利便性を考えると見込み生産を止められません・・・
という話しをしていたら、知人が、
受注生産の弁当屋さんが、上野にありますよ!
と言います。
なんでも、それは肉屋さんが売っている弁当で、お昼時はいつも人だかりができるそうです。
お店の名前は、
「肉のタカオ」
松坂屋さんの向かいの三角地帯に在ります。そのメニューは、
ヒレカツ弁当
ロースカツ弁当
焼豚弁当などなど。
注文してから揚げ始めるので出来立てをいただけます。10分ほど待たされます。
真夏などは待つのがキツいと思いますが、並ぶ人が絶えないのだとか。
素晴らしいです。
受注生産でも成り立つのですねえ。
成り立つのであれば、挑戦する価値はあると思います。食品ロスを出して良いはずはありませんからね。
そもそも、会社は前年より成長しなければならないと思い込んでしまっているので、
→新商品を開発して、前年より大量に作る。
→見込みが外れて大量に廃棄する。
このサイクルから、いい加減、人類は脱出しないといけないと思います。根本的に。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.028日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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重大インシデント

浅草のスイーツが腹立たしくて仕方ない!!
あ、いや、いや、この文が不用意に拡散すると困るので、正確に書きますと、
浅草の、パッキングされていないスイーツが腹立たしくて仕方ないです。
ああいうものを売る輩と食べる輩のせいで、浅草は「歩き食いの街」と化してしまいました。
スイーツをパッキングせず「剥き出し」で売っているというのに、座って食べる場所が用意されていないので、買った客は路上で食べるしかありません。そして、実際に食べています。
客の多くは外人さんで、浅草とは、そういうことをしてOKな街だと認識してしまっているようです。とほほ。
マナーが悪いだけでなく、不衛生です。浅草の空には鳩が何羽も飛んでいますからね。
実際問題、「腹立たしい」「不衛生」どころではなくて「危険」とすら言えます。
私は浅草の街を移動する時たいてい高速で移動していますが、そういう場合に危険なのです。
高速移動中私は、ぶらぶらしている外人さんと外人さんの間に肩幅程度の隙間があれば、そこをすり抜けて目的地を目指しますが、
うおお!!
目前に抹茶ソフトを持った手が迫ってくるではないですか。
重大インシデントです。運輸安全委員会に通報せねば!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.027日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋,浅草インバウンドあるある — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

てまえ味噌

テレビの散歩番組って、意外と侮れないと思うことがあります。参考になることが、たまにあります。
今回は、味噌を売っているのではなく、「味噌作り」を売っている味噌屋さんをテレビで発見しました。
それは菊名(横浜市)の「小泉麹屋」さん。
キャッチコピーは、
「味噌作りを伝授!あなたの家庭の好みにあう手作り味噌を無添加の麹(糀)とセットで販売。味噌、作り方はおまかせください。」
おうちで「てまえ味噌」を作れる「味噌作り簡単セット」を売っていたり、
手作り味噌講習会もやっています。
こちらは創業明治元年の老舗店ですが、昨今の日本人の味噌離れの中で、やはり苦戦を強いられてきたようです。で、味噌をただ並べて売るだけではダメだと気付かれたようです。
普通の人が家で味噌作りに取り組めるようにして、
「手作り味噌でつくる料理に家族の笑顔があふれますよ。」
と誘っています。
ベネフィットは「家族の笑顔」なのですね。
だから、味噌を売っているのではなく、
「味噌作り」を売っているのでもなく、
「家族の笑顔」を売っている味噌屋さんだったのです。
参考になりました。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.026日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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