フライング

一日フライングして、年末のご挨拶を申し上げます。

この一年ご指導いただいた皆様、お世話になった皆様、本当に在り難うございました。

私と一緒に、あるいは私の下で活動してくれた皆さん、本当に在り難うございました。

一緒に飲んでくれた皆さんも、さんきゅうでした。

来年もよろしくお願い申し上げます。

さて今年は私にとって「怒涛」の一年だったと言って良いと思います。

だから「今年の漢字」は、

「怒」

・・・っていうのはもちろん嘘(笑)で、漢字は、

「涛」にしたいと思います。

「涛」は訓読みすれば「おおなみ」。その大波を自分が起こしたことについては、今でも不思議な気分です。

弊ブログの読者さんなら先刻ご承知の通り「適サシ肉宣言」は、「ちんや」と、そのお客様の間のコミュニケーションを意図したもの、つまりミニ・コミュニケーションを意図したものでした。

ところが結果は盛大なマス・コミュニケーションと成り、通算40回ほど、様々なメデイアにお採り上げいただきました。(その一覧を文末↓に載せました)

忘年会シーズン真っ盛りの12月にも5回のご取材が入り、当然体力面ではキツかったですが、なんとかこなしました。年始には、これらの番組・紙面をご覧いただけると思います。そう、まだまだ「適サシ騒動」は終結していないのです。

今日は、そんな年の年末ですので、一連の出来事についてざっくりとした感想を書いてみようかと思いますが、とにかく不思議な気分、「適サシ騒動」は自分がやったことではないような気分が今でもしています。

よくインタビューなどで、老舗の当主として「変えること」と「変えないこと」の判別はどうなさるのですか?などと聞かれますが、私は好き好んで、進んで判別しているわけはありません。

「適サシ」の件が、その典型でして、過剰な霜降りを嫌うお客様が増えてきたので、そういう方々に向けて、「ちんや」にそういう肉はないですよ!と告げただけだったのです。改革の意欲に燃えていたわけではなかったのです。

分かり易くは致しました。A5の中にも一部美味しい肉が在ることは承知しておりましたが、A5をメニューから亡くしたことで、かなり分かり易くなりました。「適サシ」というネーミングもオツだったと自負しています。

この言葉は、特許庁にお認めいただき、弊社の商標としましたが、最近では各地で商標権侵害の事例もチラホラございます。大ブレーク、大拡散した結果、歪んだ理解の仕方も登場しているのです。

とある南の町の「ふるさと納税」サイトが御丁寧に「適サシ宣言」をして、寄付を募っていますが、そのサイトを詳細に読んでも、等級以外のことが書いてありません。

私は等級すなわち脂肪の量だけが問題だと言ったわけではなく、質や形状も重要だと申しましたが、そのサイトさんは、等級以外を無視しているのです。

脂肪の質すなわち融点に注意が行けば、当然牛さんの肥育期間に注意が行く筈ですが、触れていません。

脂肪の香(「和牛香」)に注意が行けば、脂肪の形状(「小ザシ」かどうか)に注意が行く筈ですが、触れていません。等級以外のことが書いてなくて、ただ「適サシ!!」と。

どうも、今までA5を追い求めていたのに、「適サシ」が売れると分かった途端に方向転換した疑いすら感じます。5にするより4にする方が短期肥育で出来ますからね。

でも短期肥育にすれば、脂肪の融点が上がり、脂肪の量は少なくても、モタレる脂に成ってしまいます。これにてモタレる「適サシ」の登場です。

いやはや、トホホな話しです。どうも正しく理解されつつ、有名に成るのは困難なようです。

当然対処しないとですが、年末は「ふるさと納税」の「駆け込み」の時期です。そこへ、この件を持ち出せば大混乱は必至で、先方の逆恨みを買うのは利口なやり方とは申せませんので、様子をみて連絡をいれようと思っています。

このように、来年は「適サシ肉」の正しい定義を拡める年にしたいと存じます。

調子の良い時は転換せずに押して行け!です。

既に着手はしています。まずは「ちんや」のスタッフから。

二度目の「全社員一対一肉の話し面接」を実行致しました。宣言前に一回目の「全社員一対一」をやりましたが、その後の情勢に合わせて、二回目を致しました。

一人に90分。週に二人のペースで進めました。10月に着手して、12月半ばまでかかりました。

次には、「ちんや」に見えて「適サシ」を実食した人を中心に、しっかり説明をします。そして、この件は、どうも、融点とか不飽和脂肪酸とかグリセロールとか、小むずかしい単語が多いので、来年は分かり易く~例え話しとかを考えて行きたいと思っています。 

皆様、どうぞ、引き続きお付き合いくださいまし。

明日は「住吉史彦の十大ニュース2017」です。お楽しみに。

<「適サシ肉宣言」関連の、これまでのメデイア掲載は以下↓の通りとなりました>

「文春オンライン」28日より掲載

日本テレビ「スッキリ!!」29日放送

TBSテレビ「白熱ライブビビット」210日放送

テレビ朝日「スーパーJチャンネル」2101650分放送

東京新聞(特報面)212

TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」21210時放送

HBC 北海道放送「今日ドキッ!」2151544分放送

「肉メディア.com(インターネット)215日掲載、文:松浦達也様

TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」216735分放送

産経新聞(生活面)221日掲載

日刊ゲンダイ224日掲載

「おとなの週末」(雑誌、講談社)20173月号掲載

FMえどがわ(84.3MHz32日放送

読売テレビ「そこまで言って委員会」312日放送

テレビ朝日「週刊ニュースリーダー」325日朝6時放送

TBSテレビ「ぴったんこカン☆カン」3311956分放送

「ワインホワット!?」(ワイン専門誌)20175月号掲載

NHKテレビ「所さん!大変ですよ」4132015分放送

ブーストマガジン(インターネット)512日(前編)、19日(後編)掲載中

テレビ東京「和風総本家」518日放送

「婦人画報」(雑誌)20177月号「世界が恋するWASHOKU」特集

「健康保険」(健康保険組合連合会発行)20176月号、文:山本謙治様

dancyu20178月号、「美味東京」特集

「文芸春秋」20178月号、「この人の月間日記」、文:中野信子様

TBSテレビ「テッペン!『友だち+プラス』」8123:56放送

単行本『くらべる値段』、2017818日刊行、東京書籍、著者:おかべたかし様

雑誌「だいごみ」、2017年秋号、「地方創生支援協会」刊行

インターネット「食べたり買ったり作ったり~レストランガイド編集長の日常」(扶桑社、文:大木淳夫さま)

BS-TBSテレビ「サタデードキュメント」930日午前1000分放送

雑誌「Hanako1144号(20171019日刊行)

BSフジテレビ『極皿~食の因数分解』129日午後600分放送

雑誌「MetroWalker2017年冬号(東京メトロ発行)

朝日新聞1220日夕刊「(あのとき・それから)1944年 和牛の誕生 サシ重視、偏る種牛に危機感も」(文:向笠千恵子様)

インターネット『NEWS ポストセブン』「ブランドや等級に縛られない肉の多様化が定着 好みで選択可」(文:松浦達也さま)1230日配信

この他に収録済みで、2018年始に公開されるものが3件あります。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.863連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)