時代

年末の挨拶だということで、銀行の支店長さんが見えました。

あくまで挨拶ですから、具体的な話しは少な目。自然と食い物とかの話しになりましたが、今の支店長氏は同世代です。

「おせち」って、コンビニや通販で買うものじゃなくて、家庭の主婦が作るものでしたよねえ。年末になると、ウチの母も必死で作ってましたよ。

そうそう、そうです。作ってました。それで女性は疲れてしまうので、手抜き料理として、すき焼きも食べたわけです。大晦日などは、「おせち」づくりが追い込みですから、当日食べる料理を作るヒマがありません。で、すき焼きだったわけです。「ちんや」でも売店で年末にたくさん肉が売れますが、そういう流れがあったと思います。

この「おせち」→すき焼きという流れがいつ確立したかは「調査中」です。東京だけではなく、全国でやっているようです。

『すき焼き通』の著者・向笠千恵子先生も、この点に興味を持たれたらしく、私にご質問があったので、父に聞いてみたのですが、分かりません。どなたが、ご存知の方がいればお教えいただきたいと思います。

さて、話しを現在の「おせち」に戻しますが、今は時代が違います。今は銀行も女性に働いてもらう時代ですから、忙しい女性は「おせち」なんか作っていられません。結局コンビニで買うようになりました。

通販もありますから、通販なら買いに行く必要すらないですねえ。

「おせち」は本来の意味はどこへやら、単なる高級弁当と化しました。

実は、名前も既に変わっています。本来は「御節供(おせちく)料理」だったのですが、デパートが売り出した時点で、語呂が悪いと「く」を取ってしまったと伝えられています。昭和戦後の話しだそうです。

そんな話しをするのは、たぶんバブル世代以上でしょうな。

♪めぐる、めぐるよ、時代はめぐる♪

♪別れと出会いをくり返し♪

旧いなー、俺たち。

皆様、良いお年を。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.861連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 1:36 PM  Comments (0)