巨大企業

弊社は零細企業です。

資本金が少なく、従業員数も少なく、出荷量も小さいからです。

大きい方の会社さんを眺めますと、「日経MJ(Nikkei Marketing Journal)が「2016年ヒット商品番付」の「前頭」として選んだ、キリンビールさんの「47都道府県の一番搾り」は、当初の年間販売目標が1.200.000ケースでした。それがヒットしたので、目標を約7割増となる2.000.000ケースに上方修正したそうな。これが巨大企業です。

では、弊店の出荷量はどの位でしょうか?

浅草にいれば、どんなにヒマな日でも毎日100人はお客様が見えます。

年間300日営業しますと、100×300=年間30.000食です。

137年間では30.000×1374.110.000食です。

巨大じゃないですか。2.000.000を大きく凌いでいます。

そう、老舗は零細な巨大企業なんです。

普通の巨大企業が横に大きいのに対し、零細な巨大企業であるところの老舗は縦に大きいのです。

だから私はキリンの社長さんにお目にかかっても同格だと思って、普通に振る舞っています。

ついでに申しますと、そういう次第で、老舗の商品の味も、巨大企業の商品の味も、科学的に合理性のある味、間違いなく美味しい味でなくてはいけません。

思いつきや、ウケ狙い、流行り狙いはNGという意味では、老舗も巨大企業も、同じなのです。

だから老舗は科学に通じます。

多くの老舗さんが技術を「暗黙知」の形で伝承しているので、皆さんのイメージと合わないかもしれませんが、老舗は科学に通じます。

それで私もアミノ酸とか、不飽和脂肪酸とか、融点とか言っているのです。巨大企業さんは研究所に学者さんを雇って、味の研究をさせていますが、同じことです。

老舗は科学に通じます。

何故なら、老舗は零細な巨大企業だからです。

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.698日連続更新を達成しました。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)