るろうに剣心

『るろうに剣心』には牛鍋屋のシーンがあります。明治初期の剣客の話しだからです。

この話しは和月伸宏原作の漫画が元々。シリーズ累計5900万部を超える大ヒットになったとかで、やがてアニメや実写映画になり、今度は宝塚にも成って、ただ今その宝塚劇場版が公演中です。

私は実写映画版をテレビで視て、牛鍋屋のシーンがあることを知りました。

さて簡単に筋を紹介しますと、

主人公の緋村剣心は、ある日夜盗の襲撃に遭ったところを飛天御剣流の師匠に助けられ、入門します。

やがて師匠と離れ長州藩の奇兵隊に入隊。桂小五郎の目に留まり人斬りとしての道を歩み出します。ついには幕末の京都で維新の大義のもと剣を振るい、「人斬り抜刀斎」として恐れられる存在になります。

このように剣心は、新しい世を創ることができると信じ、倒幕の志士として戦いますが、この戦いで新政府が成立すると私利私欲に走る者が出てくる・・・

こうして維新後「不殺」の誓いをたてて生きようとしていた剣心は、さまざまな色濃いキャラクターたちと巡り会って行きます。

例えば、東京下町にある神谷剣術道場を、父の死後一人で守ってきた娘の女剣士・神谷薫。医者一族の末裔で、成り上がりの悪党に加担している高荷恵。

その女二人と剣心が食べた料理が牛鍋でした。

さてさて、このブログは劇評ブログではなくて、すき焼きブログなので、筋そのものに興味のある方は東京宝塚劇場におはこびいただくとして、ここで問題なのは筋より、牛鍋です、当然。

残念ながら宝塚版では食べるシーンはなくて、牛鍋店の前で剣心と悪党が揉めるシーンだけらしいのですが、映画ではしっかり食べています。

味噌仕立ての牛鍋を。

当時は牛肉の質が悪く、屠殺も下手で、獣臭さがひどかったようで、その臭みを取るために桜鍋のように味噌煮込みにしていたそうです。

その後肉が臭くなくなるにつれて、鍋に味噌を入れる店は減ってきましたが、今でも横浜の「太田なわのれん」さんは味噌を入れています。

あれはあれで美味しいものですから、剣心の世界に浸りたい方は、どうぞお試し下さい。

追伸、

拙著が発売になりました。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.242連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)