小衆社会
「大衆社会」が「小衆社会」へ移行したと言われているようですね。
耳慣れない言葉ですので、念のため説明しますと、
「大衆社会」とはテレビ・新聞といったマスメディアを、国民の大多数が視ている社会のことです。例えば昭和40年代の男子小学生は毎週土曜日の夜8時には必ず『8時だョ!全員集合』を視ていたものですが、今はそういう番組はありません。
テレビにとって代わったのはネットです。
ネットによって、同じ思想や同じ趣味の人々が集まり易くなり、そうして出来た小集団がたくさん在るような社会が、「消臭社会」いや「小衆社会」なのだそうです。
たしかに最近新聞を買っていないという人が増えました。ニュースはスマホでタダで摂れるから、という理由だそうです。
この「小衆社会」~なんとなく、分かるような気がします。
最近の「肉ブーム」にも、私は「小衆」の臭いを感じます。
だって、肉の職人でもないのに、精肉の作業に関する知識がやたらと豊富な人がいるからです。新聞にそういう専門的な情報が出ることはまずないですが、ネットでは視られるようで、そこで学ぶのだとか。
で、私の考え方ですが、基本は、「大衆」の皆様にご来店いただきたいと考えています。ここで「大衆」とは「大衆酒場」というような「安い」という意味を含んだ言葉として使っているのではなく、普通の人達という位の意味です。つまり「ミスジ」とか「ザブトン」とかはご存知なくて、「旨いものは旨い」位の情報で行動している、普通の人のことです。そして「旨いもの」を自分の子や孫に食べさせたいと考えている人のことでもあります。
そういうお爺さんに連れられて「ちんや」へ見えたお孫さんは幼くて未だスマホを使えませんから、「ミスジ」も「ザブトン」も分かりません。
でも味は覚えてくれることでしょう。「旨いものは旨い」ですから。
私は、それでOKと思っています。
『全員集合』が懐かしいな。
追伸、
拙著が発売になりました。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
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