ロゴ入り徳利
ある日、お客様が珍しい物を持って来店されました。
「ちんや」のロゴ入りの徳利です。
ガラスで出来ていて、瓢型。立たせることは出来ず、寝かせて使うタイプの徳利です。
で、これはいつ頃のものか?
という御質問でした。
私は初めて見るものですが、年代が古いものではあることは分かりました。ロゴが現在のものと違うからです。
現在のロゴは「ち」のタテ棒が斜めに走っていますが、古いロゴではまっ直ぐ上下に走っています。タテ棒がまっ直ぐな分、その下の丸い部分が右上に突き出していて、なんだかお尻が飛び出ているように見えるのが、「ちんや」の古いロゴです。
お客様の話しでは、一緒に出て来たものが明治時代のものだから、これも明治時代だろう、ということでした。
気になるのは、これが何を入れていた容器なのか、という点です。
可能性としては、
割り下を入れて売っていた。
ノベルテイーとして、酒を入れて配布した。
品物にはロゴしか書かれていないので、判定できませんが、私には後者のような気がします。なんか遊び心が感じられるので、レギュラーの商品ではないような気がするのです。
何かのイベントの折りに配ったもののような気がします。
同じことを現代でやっても喜ばれると思うのですが、今やろうとすると、オリジナルボトルは食品衛生上のチェックが必要で簡単ではないと思います。
遊び心がパッと実現できた時代のことを、うらやましく思いました。
追伸、
一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。
タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.733日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。