すき焼き通の日

 毎年10月15日は「すき焼き通の日」です。

   「そんなの聞いてないよ!」と言ってもダメです。日本記念日協会に正式に認定されている記念日なのです。

 それと「すきやきどおりの日」じゃあ、ありませんよ。そんな道路はないですね。「すきやきつうの日」です。

 では、なんで毎年10月15日が「すき焼き通の日」なのか、ですが、それをご説明するには、平成17年に話しを遡らせないといけません。

 その当時、すき焼きについてまとまった本がないことを残念に思っていた私が、どなたか高名な方が、すき焼きのことを書いて下さらないかなあ、と思っていたところ、それを聞いて書いて下さったのが向笠千恵子先生でした。

 最初発表されたのは、雑誌の連載『すき焼き ものがたり』で、その連載は、月刊「百味」誌上にて、平成18年3月から20年4月まで掲載されました。

   この連載がその後、加筆・修整されて、平凡社新書『すき焼き通』としてまとめられました。それが、平成20年10月15日のことです。

 そしてさらに、その日この御本の、出版のお祝いの会を私の店「ちんや」で開いたことが、「すき焼き通の日」正式認定につながり、またすき焼き屋とすき焼き愛好家のグループ「すきや連」の発足へとつながっていきます。

  このお祝いの会の時、初めて全国からすき焼き屋さんが集結し、せっかく面識が出来たのだから、1回コッキリで終わらせるのはモッタイない。「すき焼きを味わいながら、日本の食文化を語り合う会をつくりたい」との話しが期せずして盛り上がり、「すきや連」が発足しました。

  その後「すきや連」の活動は順調以上で、例会を、21年2月に新橋

「今朝」さんで、7月に「浅草今半」さんで、10月に湯島「江知勝」さんで、22年3月には横浜の「太田なわのれん」さんで、22年7月には「ちんや」へ戻って「日本短角牛の、すき焼きを食す会」という具合に続けて開催してきました。

 毎回50人くらいの方が参加され、定員オーバーでキャンセル待ちが出るくらいの勢いでした。

  以上が「すき焼き通の日」と「すきや連」の由来で、こうした活動のために、私はこの五年間を過ごしてきました。あっ、と言う間に過ぎたような気がします。

   世は不景気ですが、こうした活動で、すき焼き業界に少しでも良いことがあれば、と思います。

  この次は、本当に「すき焼きどおり」を作るのもいいかもしれませんね。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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