科学性
元々科学性とは、あんまり関係なかったテレビの情報番組も科学性をうたうようになってきました。
もちろんコロナが来たからです。
でも、あいかわらず科学的でない発言をするコメンテイターも起用されていて、そういうメンバーが「専門家」と「激論」するのが、昨今の「見もの」となっています。
テレビにとってコロナもネタの一つなんだなあと思ってしまいます。
病気と並んで国民の大多数が関心を持つネタに「食べ物」がありますが、こちらの分野は、今も非科学的論争がされています。今日は、その話しです。
先日も、メイン料理に果物を入れるのは「あり」か「なし」かで激論をしていました。
例えば、ピザにパイナップルを載せて焼くのは「あり」か「なし」かで。
結論を先に申しますと、料理に酸味を加えるのは「あり」です。
「あり」どころか、より美味しくなります。
私は以前から、ヨーグルトとすき焼きは会う!と思っておりまして、2016年の秋からすき焼きの溶き卵にヨーグルトと、やはり合うと思うカレーを入れています。
また自分で「合う!」と主張するだけでなく、2018年には「味博士」こと鈴木隆一博士に味覚センサーで分析もしてもらいました。
結果カレーを入れたすき焼きよりも、ヨーグルトを入れたすき焼きよりも、カレーとヨーグルトの両方を入れたすき焼きが、味覚分析上最強だったのです。(結果はこちら)
し・か・し、ここで問題なのは「あり」でなおかつ「より美味しい」にも関わらず、そう思わない人もいる点です。
酸味は腐った食べ物の味でもあるので、知識・経験の乏しい子供は直感的に嫌がります。
ヨーグルトはお酢などを食べたり、焼き魚に果物の汁を搾ってかけるなどの経験を積み重ねる中で次第に慣れて美味しく感じることができるようになるのです。
親御さんが意識して、お子さんに酸味のある食べ物を与えないと難しい場合もあると思います。
そして、親御さんがそういう努力をしない状況のまま大人に成ってしまうと、大人なのに酸味が苦手という人が登場します。
で、メイン料理に果物や酸味を入れるのは「なし」という方が一定数いるのです。
要するに、この論争は、「あり」が多数派であるものの、絶対多数ではないということになります。その番組では7対3の割合のようでした。
ですので多数と少数の話しというのが正しい把握の仕方なのに、それを無理や「あり」VS「なし」の話し=100対ゼロの話しに捻じ曲げて、「論争」させていたのが、そのコーナーなのでした。
そうしたコーナーが一つの情報番組の中に存在して、前半ではコロナを科学的に、後半では酸味を非科学的に採り上げています。
なんだかなあ。
前半のコロナのコーナーまで非科学的に見えてしまうのは私だけでしょうか。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.120本目の投稿でした。