魚すき文化
「寒鯖」の脂が最ものっていて美味しい時期は晩秋から2月頃までです。釣り専門雑誌『ルアーマガジン』が、鯖のすき焼きの記事を載せていました。
もちろん紙の雑誌を買って読んだわけではないですが、今時はこういう専門雑誌も自社サイトを持っていて、その記事に検索で行き着くことがあります。料理記事も充実していて勉強になりますね。
さて、その鯖のすき焼きですが、魚以外は肉のすき焼きと同じ材量だとか。
長時間煮ないので魚の臭みも出にくく、鯖のように臭いの気になる魚には好都合のようです。煮えたところから、冷めないうちに速攻で食べることが推奨されています。
日本全国を見渡しますと、魚のすき焼きを食べる地域は意外とあるようです。
新潟、石川、和歌山、三重、島根、鹿児島、そして鯖すきが盛んな高知県の室戸。
そういえば、向笠千恵子先生の『すき焼き通』(2008年)では、島根県波根(はね)の「へか焼き」が紹介されていました。
魚の種類も、サバだけでなく、タイ、ハモ、サワラ、カンパチ、ブリ、サンマ、キビナゴなどなど地域によって様々です。和歌山や高知では、なんとウツボのすき焼きもあるとか。流石釣り雑誌。
「沖すき」「魚すき」「へか焼き」「いり焼き」「じふ」「とことこ」「煮食い」と呼び名が色々あるというが、魚すき焼き文化が多岐に渡ることの証明でしょう。
名前の中では「煮食い」という言葉が、すぐに食べるイメージで面白いですね。肉のすき焼きも最初は「煮食い」感覚であったのに、だんだん高級化したのだと思います。
現存のすき焼き専門店のほとんどは肉関連業者が経営しているので、こういう視点を忘れがちですが、偶然面白い記事を読みました。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.011本目の投稿でした。