ハンバーグ

「ちんや亭」のハンバーグについてのご取材がありました。誠にありがとうございました。

その時気づいたのですが、そう言えば、このブログで「ちんや亭」のハンバーグについてあまり書いたことがなかったような気がします。で、今日は取材にお答えしたことをここに書いてみます。

さて「ちんや亭」のハンバーグが世間のハンバーグが違う点は、お肉をハンバーグの為に仕入れていない点です。そんな馬鹿な!とお思いかもしれませんが本当に、そうです。

「ちんや」はすき焼き用に牛さんを丸ごと仕入れます。(この仕入れ方を「一頭買い」と言います)それをすき焼き用に整形する時に、どうしても切れ端しが出来ますが、それがハンバーグの元です。

すき焼き用ですから、当然熟成させて旨味を増やしてあります。

また、30ヵ月以上長期肥育した黒毛和牛のメス牛ですから、脂質が良く低い温度で良く融けます。融けた脂は柔らかい、優しい風味を創ります。

対するに、世間の多くのお店さんはハンバーグを作るために「ハンバーグ用の肉」を仕入れます。熟成具合、脂質の観点でイマイチな理由は、それです。

加えて「ハンバーグ用の肉」は特定の一つの部位であることが多いです。一つの部位だけなので、味が単調になるのです。

その点、「ちんや」のハンバーグ材は、一頭全身から出て来る切れ端し肉の「寄せ集め」で、脂の多い部位も少ない部位も混ざっています。それでバランスが良く、「単調」ということがないのです。

世間のお店では、その肉の単調さを補う為に、豚肉や鶏肉まで加えることがあるようですが、「ちんや」では牛肉だけでも味が複雑なのに加えて、豚肉も合わせてありますから、美味しくなるのは当然です。

またハンバーグソースの旨味を出すために、同じ牛さんのスジ肉を使っています。無駄にはしないのです。

「ちんや亭」は2年前から肉の「ちょい食べ」が出来る店ということにして、ハーフサイズ(100g)のハンバーグもご用意しています。軽い気分でお出かけ下さいませ。

追伸、10月26日の「あさくさ食たび」に出演させていただくことになりました。「あさくさ食たび」とは、浅草の料理人がオンライン講義で、全国の皆様に「浅草の食の道案内」をするというもの。視聴ご希望の方は、こちらです。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.867目の投稿でした。引き続きご愛読を。

Filed under: すき焼きフル・トーク,色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)