防災の日

例によって「浅草」といれてリアルタイム検索していたら、「防災の日」に関東大震災に関するツイートがちらほら見つかりました。

世間の話題は、コロナや総裁選ばかりかと思いきや昔のことに関心を寄せている人もいるのだなあと思いました。

浅草では9月1日は「十二階」が大破した日として記憶されています。

浅草2丁目にあった、通称「十二階」、正式には「凌雲閣(りょううんかく)」は当時最高の展望塔でした。今のスカイツリーのような観光名所ですね。それが地震で大破しました。

この時浅草寺は焼けなかったので、「十二階」の方が記憶に残ったのでした。(浅草寺が焼けたのは太平洋戦争の空襲です)

「十二階」が出来たのは、明治時代の東京でコレラが蔓延していたからです。

コレラを抑えるには、欧米の都市のように上下水道を整備しなければ・・・と考えた政府が衛生工学の技師として招聘したイギリス人のバルトンが「十二階」も設計したのです。

だからバルトンにとっては「十二階」の件は余技で、経歴を調べても「十二階」の件はわずかにしか触れられていないのですが、浅草の人達はバルトンと言えば「十二階」と記憶しています。

さらに申せば、バルトンを招聘した内務省の官僚・永井久一郎は、浅草放浪で有名だった作家・永井荷風の父です。ますます御縁があるので、バルトン=「十二階」=浅草と言いたいところですが、あくまでバルトンは水道をひくのが本業でした。

昨今のコロナ問題でも、何か「十二階」のような副産物がうまれたら面白いですね。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.841目の投稿でした。引き続きご愛読を。

Filed under: 浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)