住吉史彦の29大ニュース 2010-2019 その17
さて弊ブログは10周年までラスト一ヵ月に入りました。
ラスト一ヵ月はこの十年間を振り返る月にしよう、10大ニュース 2010-2019を選ぼうと思って、トライしてみましたら、29個も選んでしまいました(笑)
うーん、困ったな。
でも、これで行かせていただくことにしました。29はニ・クだし、今月はちょうど29日あるし。
と、いうことで、住吉史彦の29大ニュース2010-2019が始まりました。一か月間おつきあいいただいておりまして、本日は、その17です。
<29大ニュースその17>
2016年10月 すき焼き文化を象徴する古書『安愚楽鍋』を購入しました。
『安愚楽鍋』(あぐらなべ)は明治4年に刊行された古書です。その本物を、古書を扱っている知人が見つけて持って来てくれましたので、購入しました。
これまで私はすき焼きの歴史について、さんざん語ってきましたが、古い文書の現品は持っていませんでした。この時在り難い御縁で購入できました。
正確に書きますと、この本は、
『牛店雑談 安愚楽鍋』の初編(仮名垣魯文著、落合芳幾画)
粋な姐さんやたいこ持ち、西洋かぶれから田舎侍まで、牛鍋店に出入りする客を描き、文明開化期の風俗を風刺した滑稽本です。「開化期風俗文学の筆頭」と言われたりするそうです。
手に取りますと、和綴じの本というのは、厚い本ではないのに温かみがあって良いですね。
でも、とてもとても読みにくいです。特に平仮名が。
一方楽しいのは挿絵。
明治維新からすぐの頃だというのに、バターやチーズを売る店が描かれています。洋風の馬車が走っていて、御者はマントを着込んでいます。牛鍋を食べる客はほとんどが和装ですね。見飽きない楽しさです。
貴重なものに御縁がありましたので、購入して、その後はお座敷の玄関に展示しています。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。