住吉史彦の29大ニュース 2010-2019 その6

さて弊ブログは10周年までラスト一ヵ月に入りました。
ラスト一ヵ月はこの十年間を振り返る月にしよう、10大ニュース 2010-2019を選ぼうと思って、トライしてみましたら、29個も選んでしまいました(笑)
うーん、困ったな。
でも、これで行かせていただくことにしました。29はニ・クだし、今月はちょうど29日あるし。
と、いうことで、住吉史彦の29大ニュース2010-2019が始まりました。一か月間おつきあいいただいておりまして、本日は、その6です。

<29大ニュースその6>
2012年6月 月刊『料理通信』に服部幸應先生が連載なさっている「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーに載せていただきました。

29大ニュースの中にメデイア掲載事例も入れたいところですが、どの掲載事例も在りがたいので、どれにするかは迷いますね。
結局、料理関係の専門誌で、専門家の方が書いて下さったケースにしました。
月刊『料理通信』には「Mr.食育・服部幸應の「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーがありまして、光栄なことに、その「世界に伝えたい」店として、弊店をお採り上げいただくことになった次第です。実に有り難いことでした。
この「世界に伝えたい日本の老舗」コーナーの考え方は、
「老舗は(中略)お客さんとの長い友好関係が継続の大きな鍵を握ります。」
「日本の食文化が独自の成熟に至ったのは、その背景に日本ならではの「店と客の関係」があるからではないでしょうか」
「老舗から垣間見える日本の成熟した食文化を紹介していきたい」
と、いうことで、私の考えと近くて素晴らしいなと思いました。
先生と完全に合致するか分かりませんが、私なりにこの話しを解釈しますと、特定の店に特定の客の一族が通う、ということが少なくとも二世代続いて、ようやく老舗だと思っています。自分の子に安心して食べさせる、ということが、やはり必須の要件だと考えます。
自分で「老舗」を自称することは、基本あまりしませんが、内心では、そう区別しています。
思えば、その意味で、浅草は老舗が成立しやすい環境です。
まず、なにしろ繁華街としてのキャリアが長く、街としての誘客力があります。
加えて、もう一つ重要なことに、浅草周辺に御寺がたくさんあります。そして、その墓地に眠っておいでの御骨の人数は、台東区の現在の人口より多いと思われています。ここがポイントです。
こうしたお墓に、お彼岸・お盆・お正月にお参りし、帰りがけに飲食なさる方々が、浅草の老舗を支えて下さっています。
二世代どころか、五世代以上通っていただいているご家庭もあります。現場に出ると、
「自分が小さい頃、爺さんに「ちんや」さんに連れて来られたんだよ!」
と80才過ぎの方から聞かされたりします。有り難いことです。
そして、そう話される傍らには、その方の、もう結構大きく育った、お孫さんがいたりします。そのお孫さんが結婚されてお子さんが出来れば、六代ですね。
是非さらに、代を重ねていただきたいものだなあ、
と、老舗に関する、この取材を受けつつ思いました。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)