江戸甘味噌
「ちんや」は3月21日より26日まで日本橋三越本店の催事『江戸東京味・技めぐり』に出店し、精肉の販売をさせていただきました。
会期中には、この催事を後援していた「東都のれん会」さんのご依頼で、私のトークショーもさせていただきました。(動画はこちらです)ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
さて、この催事に「ちくま味噌」さんが出店していたので、私は「からし酢味噌」の瓶詰を購入しました。
野菜を湯がいて、これを付けるだけで、あっ!と言う間に和食になりますから、当然晩酌のアテになります。当分色々楽しみめると思っています。
で、この「からし酢味噌ですが、「からし・酢・味噌」というからには、辛くて酸っぱいのかと思いきや、第一印象は甘いです。あまずっぱい、という感じで、辛みは最小限です。
なぜ、甘いか。
それは味噌自体が「江戸甘味噌」だからです。今では東京でも「仙台味噌」「信州味噌」が好まれますが、それは昭和戦後の話しで、江戸時代から昭和戦前までは「江戸甘」が江戸っ子の好物でした。
その生産量が減ったのは、甘かったからです。
「江戸甘」の甘味は、米をたくさん入れて、それを発酵させることによって造られていて、砂糖を加えているわけではありません。それが昭和の戦争中に「贅沢だ!」ということになり、禁止されました。そして、その約10年の空白期間に、消費者の嗜好が変わってしまいました。1951年に生産が再開されましたが、生産量は激減したまま現在に至っています。
浅草の人間は「駒形どぜう」さんに行って、どじょう汁を頼むと「江戸甘」が入っていますから、なじみがありますが、それ以外で一般の方が親しむ機会は少なかろうと思います。
江戸の味の復活を祈念します。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.953連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。