なぜ「和牛は昔のほうがうまかった」と言われてしまうのか
3月22日の夕方のことでしたが、YAHOO!の経済ニュースのヘッドラインに、
「和牛の味ばらつき外見重視?」というのを見つけました。
お!
と思って開けてみると、旧知の松浦達也さんが書いた記事で、牛肉の等級について書いた記事でした。
原題はヘッドラインとは違って、
「なぜ「和牛は昔のほうがうまかった」と言われてしまうのか」でした。記事に曰く、
「気になることがある。近年「おいしいとは言いがたい和牛がある」(精肉店店主)というのだ。前述したように、現在の食肉の格付け(住吉史彦注~A5とかB5とかのこと)制度には外見上の基準しかない。それゆえ生産者は「見かけ」を調えることに力を注ぐようになる。その結果、肉の食味にバラつきが出てしまうというのだ。」
「実は国にも畜産に対する危機感はある。2015年7月には国による「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」が策定された。農水省も「牛肉の格付けの仕組みについて」のなかで「脂肪交雑以外の価値を実需者・消費者にどう訴求していくかが課題」としている。」
2番目の農水の文は非常に分かりづらく、歯切れ悪く書かれています。
「脂肪交雑」とはサシのことで、「脂肪交雑以外の価値」(=つまり味)を、消費者に訴求できていないことが、課題(=つまりダメな点)だ。サシ一辺倒じゃ、消費者に嫌われるぞという内容を、サシ至上主義の人達に遠慮して書いたので、何を言っているのか分からない文になっているのですが、要するに、サシ至上主義=外見重視の結果、美味くない和牛が増えている、という意味のことを言っているのです。まったく役所文学ですな。
これは、私の言ってきたことと同じです。
そういう次第で、「和牛は昔のほうがうまかった」と言われてしまうのです。こっちをヘッドラインにした方が良かったんじゃないですかねえ、YAHOOさん。
追伸
27日は火曜日ですが、隅田公園の桜が満開ですので営業致します。
地下一階「ちんや亭」も営業致します。どうぞ、ご利用下さいませ。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.949連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。