「文化の」日
毎年11月3日になりますと私は、心から祝って良いのやら、そうでもないのやら、複雑な気分になります。
この日が「文化の日」と呼ばれているからです。
「文化の日」に成ったのは1948年(昭和23年)のことです。「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨とした祝日ですね、一応。
では、1948年以前は、どんな日だったのでしょう。
この日は明治天皇のお誕生日ですので、1873年から陛下がお亡くなりになるまでは「天長節」として、それ以降は「明治節」として、祝われていました。
この国を文明開化へと導いた大帝陛下の誕生日ですから、明治時代には正月より目出度い日でしたが、敗戦後GHQの統治下で「明治節」という名前が使いにくくなってしまいました。
当時日本側は、新しい「日本国憲法」を1946年の11月3日に公布し、この日を「憲法記念日」にしようと目論みましたが、GHQから「絶対にNG!」とダメ出しを食らい、仕方なく「憲法記念日」は憲法が施行された日である5月3日にすることになったようです。
で、困りましたのは11月3日を何の日にするか、です。
「明治節」には、1937年以降、文化勲章の親授式が行われてきましたから、それで、この日を「文化の日」にしたわけです。
「明治節」だから⇒文化勲章の親授をする、のが逆立ちして、文化勲章を親授するから⇒「文化の日」に成ったんですね。
このような「文化の日」をめぐる経緯は、誠に恐れ多い話しなので、どこにも書いてないのですが、要するには、そういうことだったと思います。
ともあれ、陛下が1873年(明治5年)1月24日に牛肉を召し上がらなければ、現在ほとんど全てのすき焼き屋は成立していないことでしょう。
「ちんや」では、この日を「明治節」として奉祝し、箸は終日祝箸を使って営業いたしております。
追伸①
NHK総合テレビ『月刊やさい通信』に出演します。
※なぜ、すき焼きにシュンギクを入れるのか?
※すき焼におけるシュンギクの役割
という内容です。是非ご覧ください。
11月24日(日)朝6:15~6:45
11月28日(木)昼12:20~12:43(短縮版)
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.343日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。