月刊やさい通信
NHK総合テレビ『月刊やさい通信』に今日出演します。
出番は1分ほどのようですが、是非ご覧ください。
・・・と書きましたが、放送は朝6:15~ですから、ゆっくり起きた方が、このブログを開けた頃には、もう終わってしまっていますね。さて、その内容ですが、
※なぜ、すき焼きにシュンギクを入れるのか?
※すき焼におけるシュンギクの役割
をインタビューしたい、ということでした。
悩むんですよねえ、こういう御取材は。ハッキリしたことは分かりませんから、推測で行くしかないからです。
でも、まあ、最近はヘンに度胸が付いてきて、こういうことにも慣れ始めています。
本題に戻りますが、
すき焼きは甘辛いですから、香味野菜が必要です。香味野菜が味のアクセントに成ります。
で、香味野菜の中で何を選ぶか、何故シュンギクなのか、が問題です。
代表的な香味野菜と言えば、まず、
ユリ科ネギ属のネギ・あさつき、ですが、ネギは明治時代のごく初期の、すき焼きがまだ「牛鍋」と呼ばれていた時代から入っていました。
だからネギに次いで第二の香味野菜として何を入れるか、それが今度は問題です。
明治時代末期から大正時代にかけて、牛鍋を高級化しよう、という動きがあったらしく、肉とネギだけのシンプルなスタイルから、もう少し贅沢感のある料理に変身させようと、当時の人達が試みました。
その頃に第二の香味野菜選びが行われたようです。まず、
シソ科のシソ=葉っぱがひらひらして鍋の中で邪魔ですね。それに脂と合いません。
アブラナ科のクレソン=これは明治時代にあまり無かったと思います。
セリ科のセリ・ミツバ・セロリ・パセリ=これは悪くないと思います。「ももんじや」さんの猪鍋にはセリが入っていますからね。でも、もっとすき焼きに合うものはないかなあ?!
ここで登場するのが、
キク科のシュンギクです。地中海原産なのに食べるのは東洋人だけで、外人さんはキクの親戚のチコリやエンダイブを食べます。ですので「ちんや」では外人さんにシュンギクのことを、Edible Chrysanthemum Leaves(=食用の、菊の葉)
と説明しています。
ともあれ、シュンギクはすき焼きに良いですね。脂との相性が良いのです。
立ち食いソバでも「春菊天」がありますしね。
それから、もう一つ例があります=私がシュンギクの最も美味い食べ方と思いますのは、鴨の脂を使ったシュンギクの素揚げです。両国橋のたもとの、鴨すきの「鳥安」さんに行きますと、これが楽しめます。このようにシュンギクは脂に合うのです。
すき焼きはシュンギクの美味しい食べ方としては、「鳥安」さんの次点辺りかと思いますが、しかし脂との相性が良いですから、基本、美味しいです。
そういう次第で、すき焼きの第二の香味野菜として、堂々当選確実に成ったものと思います。
目出度し、目出度し。
なお『月刊やさい通信』は短縮版の再放送がありますので、今朝見逃した方は、そちらをどうぞ。
11月28日(木)昼12:20~12:43(短縮版)
追伸
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は375人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.361日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。