牛脂のハレ舞台
阪急阪神ホテルズさんが牛脂にスポットライトを当てて下さり、私は内心喜んでいます。
おっと、ブログに書いたら「内心」に成らないかもしれませんが、ともあれ、牛脂なんて物にこれだけ視線が集まったことが、あったでしょうか、今までに。これがハレ舞台とは皮肉な話しです。
今回分かりましたことは、
ステーキ肉本体が残念でも牛脂を注射することで取り繕うことが出来る=牛脂とはそういうことが出来る物だ、ということです。
良い牛の脂であれば、ですけどね。
「ちんや」の牛脂にも勿論そうした能力があり、この脂でネギなどの野菜を炒めた時は、実に旨いものです。チャーハンなどの焼き飯にも良いと思います。
それで牛脂を注射するのです。
では、皆さん、スーパーで無料で配られている、あの牛脂に同じような能力がありますでしょうか。
あれは無料なんだから、貰えるだけ貰って、調味料として使い倒してやろう!
と思った方がおいでかもしれません。
まあ、どうぞ、やってみて下さい。しかし、
ちぇ!ちっとも旨くならないぞ!
と怒ってはいけません。
あれは無料のものですから、食品を販売する時に課せられる表示義務の対象外です。何が入っているか、分かりませんよ。
だから本当に100%牛脂なのか、客に知らせる義理なんてないんです。旨くならなくても文句は言えないのです、そう、タダなんですから。
さて、ここで牛脂と言っても2パターンがあることに、皆さんは気づきましたね。
・残念な肉を旨くするための、よい牛の牛脂
・とにかく炒め脂としての用を足すために、無料で配布されている、自称「牛脂」
ややこしいですねえ。まあ、両方とも旨い・マズいの違いはあるものの「優良誤認」行為ですがね。
一方ややこしくないのは、「ちんや」の牛脂です。
・「ちんや」の牛脂は、全量、「ちんや」が販売している牛から取っています。
・それを配布用の形に成形するプロセスは、すべて「ちんや」スタッフが行っています。
つまり他所から牛脂用の脂を仕入れたりしていないのです。明快です。
そういう次第で、いくらでも無制限に差し上げてしまう、ということが出来ないのが残念ですが料理を旨くすることだけは保証致します。
肉をお買い上げの節に、差し上げます。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.341日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。