明治のスーパーマジシャン

先日「手妻」(=てづま。日本古来のマジックのこと)の藤山新太郎さんの公演を観に行った時に、会場に藤山さんの御本があったので買ってみました。

『天一一代  明治のスーパーマジシャン』という御本で、日本奇術の「中興の祖」とも言える松旭斎天一の生涯を描いた評伝です。

実は、藤山さんのサインが欲しかったので、内容はさほど期待しないで買ったのですが、非常に面白かったです。波乱万丈でした。

天一は、歌舞伎座興業など日本全国はもとより欧米巡業公演にも成功したスーパースターでした。古来の手妻と西洋奇術の両方を習得して、統合⇒時代にあわせて再構築した人物でもあり、日本奇術史上最大の人物と言っても過言ではありません。

歌舞伎・落語・舞踊・相撲・・・皆いったんは明治時代に否定され、新しい形に創り直され、それが今日に古典として伝わっています。奇術の世界でその役割を担ったのが、天一でした。

しかし、その天一が奇術に入門した経緯は、ハッタリでした。

生まれは下級武士の家ですが、父の不祥事で一家離散、寺に預けられたものの、素行が治まらず、食うや食わずとなり、切羽つまってチャレンジした「奇術」がビギナーズラックで成功してしまったことが、マジシャン人生のスタートでした。

その後、奇術界の最高峰の位置に登り詰めるまで、ハッタリと努力、度重なるケガ、巨額の投資・・・と本当に面白過ぎます。

その人生を藤山さんは、禅の「十牛図」の、子が悟りをひらくまでに例えて描いていきます。

御自身が現役マジシャンですから説得力がありますね。

奇術にご興味がなくても、人生のドラマとして読んで面白いです。是非どうぞ。

追伸①

NHK総合テレビ『月刊やさい通信』に出演します。

※なぜ、すき焼きにシュンギクを入れるのか?

※すき焼におけるシュンギクの役割

という内容です。是非ご覧ください。

11月24日(日)朝6:15~6:45

11月28日(木)昼12:20~12:43(短縮版)

http://www4.nhk.or.jp/P554/

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.347日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 
Filed under: 憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)