削る・叩く・騙す
「削る」「叩く」「騙す」は経営の三本の柱と申せましょう。
某ホテルズさんの経営の、ですけどね。
因みに、動詞の目的語を補いますと、
従業員を削る
仕入れ先を叩く
客を騙す、です。
ここで、どうして「削る」「叩く」だけでストップできなかったのか、と疑問に思う方は、この20年の、日本のホテル業界のデフレな事情を思いおこして下さい。
思いまするに、ホテル業界は典型的なデフレの被害業界です。
価格破壊的な宿や予約サイトを礼賛してきたメデイアや世論が、今回の問題を発生させたと思います。
ところが、その状態に気づかなかった人がこれまで多く、業界は良いイメージを保っていたので、今回とりあえずは大イメージダウンに成ってしまいました。
ショックはありましょうが、日本がまともに成る為には、通らねばならない道と思います。
ある、私の知人はホテル業界に奉職しホスピタリテイーの実現を志しておられましたが、やがて業界の在り方に疑問を感じて退職。食にお詳しいことから、今は地方の再生・活性化を、食を通じて手伝っておられます。
土地土地の産物や人物を活かすことを大切にして、再生・活性化を目指す手法なのですが、今回の事件を経て、むしろ、これからがそういう方の出番と思います。頑張っていただきたいです。
一方、ホテル業界の中の、阪急阪神さん・近鉄さん・小田急さんといった比較的大き目の会社は、はなはだ残念なことに、「削る」「叩く」路線を突っ走っていまいました。上場企業は赤字を出せないですからね。
社員が多いだけに削る所はありましたし、仕入れ先は叩いても言う事を聞きました。
経営者がサラリーマン経営者で、食にこだわりや使命感を持っておられなかったことも、おそらく一因でありましょう。
地震とかの事情で赤字の年もありましょうが、そういう時には、経営者がクビを差し出して、赤字決算を公表して欲しかった、私はそう思います。
従業員と仕入れ先と信用を残せば、やがて回復することも出来るわけで、その為にクビを申し出た経営者がいれば、それは尊敬されてしかるべきと思います。「辞める」も立派な経営の行為です。
「削る」「叩く」はやり尽くしてしまい、「辞める」も出来ないとなると、後は何が出来ましょう。
ホテルの規模はそのままに従業員数だけ削るんですから、現場は忙しくてジュースなんか搾っていられません。でもイメージは今まで通りにしたいんですから、自然の流れとして既製品を使い、メニューだけは今まで通りと合いなりました。ごくごく自然の成り行きとして、偽装が成立した次第です。
あ~あ、やっちゃいましたねえ、「騙す」を。
どうせ「騙す」がバレたら辞めないといけないんですから、早めに辞めておけば・・・と思うんですけどねえ。
最近、カッコ良い経営者がいませんね、日本に。
追伸①
NHK総合テレビ『月刊やさい通信』に出演します。
※なぜ、すき焼きにシュンギクを入れるのか?
※すき焼におけるシュンギクの役割
という内容です。是非ご覧ください。
11月24日(日)朝6:15~6:45
11月28日(木)昼12:20~12:43(短縮版)
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.342日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。