築地ホテル館
東京商工会議所が出している『東商新聞』には「壱号機紙上博物館」という連載コーナーがありまして、このコーナーはなかなか面白いです。
毎回色々な業界の、一号機のことが書かれているのです。
その第三回に載っていたのは、
ホテルの一号=築地ホテル館です。
で、紙面には、そのホテルの様子を描いた開化絵も掲載されていて、その絵が、なんと「ちんや」が所蔵している絵と同じ版でした。これには「あっ!」と思ってしまいました。
さて、築地ホテル館は明治元年(=1868年)に開業しました。日本人が設立した、最初の西洋式ホテルです。
江戸幕府が築地に外国人居留地を設置するのに伴い、諸外国に対して建設を約束しましたが、開業は幕府が倒れてから、明治維新後のことでした。
設計はアメリカ人ブリッジェンス。
施工は清水建設の創業者・清水喜助が請け負いましたが、喜助は工期を急がせ、わずか1年で完成させたと言いますから驚きます。
この建物は東京に出現した、最初の洋風建築の一つで、実に堂々たるものです。文明開化のシンボルとして、市中の大きな話題を集めたようです。
外国人の評判も悪くなかったようなのですが、明治5年の大火で焼失し、再建されることはありませんでした。残念ですね。
その開化絵=『東都築地保弖留館海岸庭前之図』という絵は、日頃「ちんや」の客室に架けておりまして、特に清水建設の関係者の方が見える時は、必ず部屋に架けます。(逆に、他のゼネコンの方の場合は、目につかないよう、気をつけております・・・)
ネットでも、こちらからご覧になれますので、後でゆっくり観て下さい。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は357人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.240日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。