東京観光
「東京シテイガイドクラブ」(TCGC)という、ボランティアで東京ガイドをする皆さんを相手に、講演をすることになりました。
この皆さんは、まず「東京シテイガイド検定」という、なかなか難しい試験に合格し、さらに、個々に古典芸能文学・神社仏閣・美術・商店街・産業観光といった専門分野を持ち、さらにさらに英語・各国語での案内も請け負う、という素晴らしい皆さんです。
今回私がお話しするのは、その内の勿論「グルメ専門グループ」の皆さんです。
さて、そういう次第で、「観光」とか「ガイド」ということについて、私も久しぶりにつらつら考えてみました。
さて実は、「東京観光」は未だ黎明期と言えます。東京が観光誘致に力を入れ始めたのは、ごく最近のことです。
まず2002年の、サッカーのワールドカップ日韓共催の時に、受け入れ体制の不充分さが指摘され、2003年東京観光財団設立。やがて国全体でも2006 年に「観光立国推進基本法」が制定されました。
力を入れ出したのは、その辺りからです。TCGCさんがNPO法人の認可を獲ったのも2007年とお聞きしております。
その後スカイツリー開業やオリンピック招致やらで勢いを増していますが、「東京観光」は未だ黎明期を抜けていないと思います。
もう少し平たく・分かりやすく申せば、「遅れている」のです、東京観光は。
他の観光地で以前から指摘され続けている、「マス・ツーリズムの弊害」が、今東京観光に該当している、と断言しましょう。弊害ツーリズムの行先が東京に代わっただけです、ハッキリ申して。
だいたい、「旅行業」って、なんであんなに不勉強でも開業できるんでしょうか。
しかしそれなのに、何しろ大量の送客をしてくる取引先なので、地元受け入れ業者の皆さんが、あの連中の都合に合わせてしまいがちです。嘆かわしいです。
たびたび弊ブログで指摘しておりますが、極端な短時間で客に食事をさせようとする業者が実に多いです。
1卓にビールを3本ずつ、事前に栓を抜いて置いておけ、とか言って来る輩も多数。
麦を育てている生産者の方のことを、少しでも考えたことがあるんでしょうか。
それを弊店が拒否すると、すぐさま紛争の種と成りますので、私がいちいち交渉に乗り出すハメになります。
ああ、メンド臭。でも、いつでも絶対妥協せず、
そういうことでしたら、今からでも御予定を変えていただいて、余所の御店にいらしていただいて結構ですよ!浅草には良い御店がいっぱい在りますからね!
と脅迫致します。
旅行の前日の話しですから、困るのは先方です。ひひひひ。
だって、お客様の楽しみが優先ですからね。業者風情の言い分を、私は聞きません。
この現象は「マス・ツーリズムがもたらす観光地の疲弊」と説明されるようです。曰く、
「多量に観光客をさばくには、必然的に専門的事業者たる旅行代理店等を介在する必要がある。」
「送客側の立場が相対的に強くなり、その要求に合わせた設備投資や手数料の支払い・販売促進協力金負担などの商慣行から、観光地の事業者の疲弊が見られる。」
とも説明されます。
誰が本当の御客様で、何が御客様の本当の楽しみなのか、考えないからそう成るんです。
さらに申せば、ネットの普及によって、「ネット受けの良い」事業者だけが流行る現象も起きていますね。
そんな御時世ですから、私は期待してます、ボランティアガイドの皆さんに。
追伸①
「ぴあMOOK 旨い肉 2014 首都圏版」
~感涙必須の旨い肉200軒 に「レストランちんや亭」の、ハンバーグとサイコロステーキを載せていただきました。
ご購入は、こちらです。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は353人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.230日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。