すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に⑫
「浅草法人会」さんの主催で講演会をさせていただきました。
演題は「すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に」でした。
おかげ様にて募集定員を超えて満員になり、実に恐縮なことでした。
このページでも公開して参りますので、ご笑覧下さい。長いので14回に分けて公開しています。
なお内容は、「法人会」さんが相手ですから、経営者の方向きにアレンジしてございます。
<以下本文>
東北の畜産支援では、『1千人の笑顔計画』を、今も続行中です。ご協力いただければ嬉しいです。
ご来店いただきまして、東北の牛のコースを召し上がっていただきまして、食後の笑顔写真を撮らせていただいて、それを特設サイトにUPします。そして御本人にもプリントして差し上げておりまして、その写真を次回ご来店時に持参していただくと、東北のお酒のサービスがあります。笑顔写真が、そのまま次回のクーポンに成るんです。
そして、その笑顔写真クーポンは、そのまま店にとっては「出されて嬉しいクーポン」なんです。クーポンなんてものは店側にとっては、出されると腹が立つものですが、ところがドッコイ、「出されて嬉しいクーポン」なんてものが存在し得るんであります。こうすれば、店サイドも楽しみながら取り組むことができます。
結論として、今時は、小企業でも社会貢献を!小企業こそ社会貢献を!と申し上げておきます。
だいだいですね、話しは少し逸れますが、会社にとって本当に大切な資産とは何でしょう。現金や預金、土地・建物とかが、財務の書類に計上されていますが、それですか。違いますね。
一つはお客様からの信頼であり、もう一つは従業員の士気です。この二つが大切ですが、それは数字に表せないどころか目に見えません。そう、皆さん、本当に大切なものは目に見えないんですね。そのことを、我々は地震の後に知りました。
東北には津波に流されて、ビルも金も無くても、仕事を再開している会社がたくさん在りますね。お客様からの信頼と従業員のやる気があれば、出来たんです。そして、それは20世紀前半の、最大の被災地と言える浅草の人達が、関東大震災・昭和の戦争と二度経験して来たことでもあります。
実は、昨年のちょうど今頃、福島県酒造組合さん=日本酒のメーカーさんの組合ですが、そのおまねきで福島へ行き、講演をする機会があったのですが、その時はそれで当然、浅草の先達のこと、それから自分が経験したBSEのことを話して参りました。我々が経験済みで、今回東北の人達からまたあらためて学び直したこと、それは「本当に大切な資産は財務諸表に載っていない」ということです。
それを分かっている浅草の人達こそ、東北の人達のため、フクシマの人達の役にたてると思っておりますし、また目に見えることだけを頼りに経営をすると、おかしなことに成る心配がある、と私は思っております。
話しはBSE問題の時に戻りますが、2001年9月の問題発生から10月に全頭検査が始まって安全が確保されるまでの2カ月ほどの間、自分の売っている肉について「安全です!」と言えない時期がありました。それで、この時期どう発言したらお客様から信頼して貰えるか、私達は非常に困りました。
確率としては、100万頭の内に2~3頭という位で、しかもBSEに成ったのはほとんど乳牛でした。乳をたくさん出させるため肉骨粉を与えていたわけで、肉牛にそんなことをしたら変な肉になりますから、そういうことはしないですけど、そうは言っても、発見されてはいるわけですし、自分で検査は出来ないんだし、検査体制が整うまでは「絶対安全」ではなく「多分安全」です。
だから「絶対安全です」という嘘をお客様についたらいけない、そうと思いました。「絶対安全」と言うためには、OGビーフに切り替えるしかないわけですが、生産者のことを考えたら出来ません。それで結局、「ちんや」はこの時期、「絶対安全ですPR」をしませんでした。
そんなある夜・・・
<この話しは長いので14回に分けて公開しています。続きは明日の弊ブログにて。>
追伸①
「ぴあMOOK 旨い肉 2014 首都圏版」
~感涙必須の旨い肉200軒 に「レストランちんや亭」の、ハンバーグとサイコロステーキを載せていただきました。
ご購入は、こちらです。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は353人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.227日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。