すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に⑬
鶴「浅草法人会」さんの主催で講演会をさせていただきました。
演題は「すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に」でした。
おかげ様にて募集定員を超えて満員になり、実に恐縮なことでした。
このページでも公開して参りますので、ご笑覧下さい。長いので14回に分けて公開しています。
なお内容は、「法人会」さんが相手ですから、経営者の方向きにアレンジしてございます。
<以下本文>
それで結局、「ちんや」はこの時期、「絶対安全ですPR」をしませんでした。
そんなある夜、銀座でヤケ酒を飲んでいましたら、見知らぬ客と居合わせまして、よせばいいのに、店のママが「こちらは浅草の「ちんや」さん」とか紹介するもんですから、すぐにBSEの話しになりました。
で、そのオジさん、私の考え方を聞いたら「それじゃダメだ!」「だからボンボンだって言うんだよ!」「ガンガン安全PRしないと、君は君の代で店を潰すぞ!」と言われたんですね。分かってないヤツはそういうことを言うんです。
内心ハッキリ申しまして、頭からビールかけて差し上げたい!っていう状況ですが、結局私はそれはしませんで、そのオジさんが帰った後、ママから「悪かったわねえ。それにしても、住吉さん、結構大人だったのね。いつかお客様の信頼は戻るわよ。」と褒められたことを覚えています。
当時身のまわりに良い話しがほとんどありせんでしたので、この夜のことは鮮明に覚えています。分かってない人の意見なんか採り入れたりせず、結局、お客様に嘘をつかなくて良かった、と今は清々しい気持ちを抱いております。
さてさて、最後になりますが、なにしろ様々なことが色んな意味で、色々に多様化しているのが現代だと思います。ですから、すき焼き業界も多様化し、お客様に食べ比べていただけば良いと思いまして、ある時調べてみましたら、実は既にすき焼きは結構多様でした。色んなすき焼きのことを知れば知るほど楽しいんです。
では、どうやって、色んなすき焼きを知るようになったか、ですが、それは9年ほど前に遡ります。その頃食文化研究家の向笠千恵子先生が『すき焼きものがたり』を雑誌に連載なさる、というので、そのスポンサーに成りましたら、その本に載ったすき焼き屋で集まって宴会しようという話しになりました。それが『すきや連』というグループの原型です。
以後14回の会合を重ねてまいりまして、今月29日に15回目が彦根でございます。今回も全国から松阪の「和田金」さん、京都の「三嶋亭」さん、米沢の「登起波牛肉店」さんなど、超有名どころの御主人さん方が集結します。グループを作った当時を思いおこしますと、BSE問題の後で、「ライバルの足を引っ張っている場合じゃない」という意識がすき焼き屋同士を仲良くさせた、と考えております。
その連載が編集されて『すき焼き通』という題名の単行本に成りましたので、勢いに乗って、『すき焼き通の日』を制定しました。『すき焼き通』の刊行日だった毎年10月15日が、その日なんですが、日本記念日協会さんに公式認定してもらいました。
こうした活動を通じて、日本には色んなすき焼きが在るんだ!是非食べ歩いてみよう!と言う気運が盛り上がれば良いと思っておりますし、発想の違う人には相手が御客様でも普通に反論します。
先日「ちんや」のすき焼きを食べた人から、「オタクの割り下は甘い!」と御意見をいただきましたから・・・
<この話しは長いので14回に分けて公開しています。続きは明日の弊ブログにて。>
追伸①
「ぴあMOOK 旨い肉 2014 首都圏版」
~感涙必須の旨い肉200軒 に「レストランちんや亭」の、ハンバーグとサイコロステーキを載せていただきました。
ご購入は、こちらです。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は353人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.228日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。