「カリスマ受け売り師・住吉史彦の生涯の半分くらい」六夜連続興業の大詰め=志を建てる 

  お届け致しておりますのは、題して、

  ブログ連続更新365日記念スペシャル

 「カリスマ受け売り師・住吉史彦の生涯の半分くらい」

  六夜連続興業の大詰め=志を建てる 

  平成17年(2005年)頃=弊店創業125周年の頃から、BSE問題も一段落したように思います。また小泉改革で、景気もやや上昇しました。この頃から、少し自分なりの活動ができるようになったと思います。

 この当時、すき焼きについてまとまった本がないことを残念に思っていた私が、どなたか高名な方が、すき焼きのことを書いて下さらないかなあ、と思っていたところ、それを聞いて下さったのが向笠千恵子先生でした。創業125周年記念で、向笠先生に書いていただくことにしました。

 その文が最初発表されたのは、雑誌「百味」の連載『すき焼き ものがたり』で、 さらに、この連載が、その後加筆・修整されて、平凡社新書『すき焼き通』としてまとめられました。それが、平成20年10月15日のことです。すき焼きについての、たぶん唯一の単行本が、この御本です。

 そしてさらにさらに、この御本の、出版のお祝いの会を私の店「ちんや」で開いたことが、すき焼き屋とすき焼き愛好家のグループ「すきや連」の発足へとつながっていきます。

  このお祝いの会の時、初めて全国からすき焼き屋さんが集結し、せっかく面識が出来たのだから、1回コッキリで終わらせるのは、mottai-nai。「すき焼きを味わいながら、日本の食文化を語り合う会をつくりたい」との話しが期せずして盛り上がり、「すきや連」が発足しました。

  その後「すきや連」の活動は順調以上で、毎回定員オーバーで現在に至っています。 以上が「すき焼き通」と「すきや連」の由来で、こうした活動のために、私はこの五年間を過ごしてきました。あっ、と言う間に過ぎたような気がします。世は不景気ですが、こうした活動で、すき焼き業界に少しでも良いことがあれば、と思っています。

 このように「すきや連」活動をしたことで、私には良い出会いがありました。「すきや連」には、すき焼き屋だけでなく、全国から向笠千恵子先生が認めた、素材や調味料の生産者の方が見えています。

 皆さん、志をもって、昔ながらの仕事・手間のかかる仕事・安全な食品づくりを守っておられる方々でした。そういう方々と直に接することができ、感心することが多く、本当に勉強になりました。それが、この時期の収穫でした。

 同じ頃、私は別の場所でも、志を持つことの大事さを教わりました。それは、二条彪先生の「台東区若手経営者サポートセミナー」です。

  二条先生は、ご自分が親から継いだ会社を破綻させた経験を踏まえ、悩める後継者社長を一人でも多く救おう、と熱い心で経営論を講じておられる方です。

  教わったことは、

  志=自分が社業を通じて、どのように世の中の御役にたつか、

  あるいは、どのようにお客様に喜んでいただくか、

を常に、全ての仕事の中心に置くように!ということでした。

  マーケテイングも人事も、その他のことも、何か判断する時は、その原点を忘れないように!と教わりました。利益を先んじて考えてはいけない。「三方良し」の精神を持て、とも教わりました。

  また同じセミナーに来ている、若い経営者の方々が、皆さん、立派にやっておられるのを見て、大変刺激を受けました。

  自分が、本当に、どのようにしたら、世の中の御役にたつか、ようやく、突っ込んで考えたのは、この時期だったと思います。全く、遅いですよね。でも、まあ手遅れとまではヒドくないと思いますけどね。

  さてさて、この稿は既にだいぶ長くなっていますが、今日中にこの話しを終わらせないといけないので、まだまだ続きます。

  そこで、飽きてしまった方のために、秀才君で趣味人の私から、知的なジョークを飛ばしておきましょう。

  JSバッハと言えば「音楽の父」ですが、そのバッハが笑いました・・・

  ばっはっは。

  もとい。

  今、私が是非社業すなわち、すき焼きを通じてやりたい、と念願していることは、

  すき焼きで、ニッポンのご家族の絆を深めること、です。

   すき焼きには必ずそれができる。そうした、ご家族の思い出の中で商売をさせていただけたら良いな、と考えています。

  過度期の私は「高級飲食店と言えば、やはり御接待だろう」「一流企業に使ってもらえるようにせねば・・・」などと考えていましたが、心底から、そう念願していたわけではないので、何をしてもイマイチでした。

  でも今は、ここに書いた志に沿っていけば、仕事に方向性が出来るので、だいぶやりやすくなりました。

  その代表例が、昨年9月に開設した「ちんや」創業130年記念ホームページです。このサイト上で「世界に一つだけの すき焼き思い出ストーリー」の募集を始めました。多数のご投稿をいただきましたが、思った通り、ご家族の絆に関するお話しが、圧倒的に多かったですね。

  「ちんやメンバーズ・カード記念日割引」を導入したのも、当然同じ方向性です。「記念日割引」の対象になる記念日として、結婚記念日が多く登録されたのは嬉しいことでした。結婚は家族の原点ですから、そういう記念日に、今後も「ちんや」を是非お使いいただきたいものです。

  「食育」活動も進めていますが、「ちんや」の「食育」は他店と少し毛色が違います。

  親御さん、つまり大人を「食育」して、その親御さんが自分のお子さんに、その知識を「食育」する、というのが、「ちんや」の方向性です。店の人間が直にお子さんを教えることも致しますが、できれば、親⇒子が理想です。

  やはり、昨年スタートさせた「ちんや すき焼き通検定」に合格した大人の方が、後日お子さんを連れて、来店して下さっていますが、それもまた嬉しいことでした。

  「すき焼き通検定」の合格者は、自動的に「メンバーズ・カード」に入っていただくので、これにより自動的に「記念日割引」を登録することになります。ですから検定合格者の方は、自然と、そうしたご家族の記念日に「ちんや」へ来て下さいます。そして、店内で食事をしながら、お子さんにあれこれ、すき焼きのことを「食育」なさっています。

  検定に合格しているのですから、自信を持って「食育」できますよね。こうして味覚や食に関する知識が親から子へ継承されます。

  「前から ずっと食べてきた、

  そして孫にも食べさせたい、

  安心、うまい、もたれない、「ちんや」の御肉」

  これこそが、今私が考えている、理想形です。これを目指して邁進いたしますことを、あらためて、この場にてお誓い申します。

  さて、こうして六夜おつきあいいただくことで、ようやっと、今の私に辿り着いていただきました。

  え? 標題の「カリスマ受け売り師」の説明がないぞ って?

  そうでした!! でも、勘の良い方はわかっておいでですよね。

  「受け売り」っていうのは、このブログのことです。

  自分の理想・自分のやりたいことを、皆さんにお話しするべく、ちょうど1年前に、このブログをスタートさせました。

  ブログを書くためには、一部自分がこの眼で見ていないことも書くようになります。店を構えて営業していますので、普通の方と比べて、外出が自由ではなく、文字学問・耳学問を基に書くことになります。

  そうして書いた文であっても、願わくば、読者の皆さんの心に届いて欲しい、

  それが出来たら「カリスマ」だよね!

  そうです、ブロガーとして目指すところを、「カリスマ受け売り師」とさせていただくことに致した次第です。

  そうかい、わかったけど、長いぞ! 他のブログも読まなきゃいけないんだぞ って?

  そうでしたか。お後がよろしいようですので、それでは、これにて。

  皆様、にぎにぎしく御見物、誠に有り難う存じました。

追伸

 3/13(日)実施予定の、「ちんや すき焼き通検定」の、受験申込みの受付を、2/16より開始しました。詳しくは、こちらをご覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて365日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

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