牛脂の効用
1/30に実施した「ちんや すき焼き通検定」に合格した方が、先日、ご家族と一緒に来店されました。
検定の勉強で得た知識を、実地にお子様へ「食育」していただく、というのは私の理想のイメージです。嬉しかったですね。さて、
昨日の弊ブログに牛脂のことを書きましたが、今日は、その続篇です。
すき焼きをする時、鍋に牛脂を入れます。割り下だけですと、味が強いですから、味をマイルドにするため、脂が必要なのですが、この脂は鍋全体に融けますので、味や香りにかなり影響があります。
牛脂ならなんでも良い、というわけにはいかないのです。
ある時、弊社売店のスタッフが、「スーパーでもらえる牛脂は、脂を一回融かしてから、それを固めている」ということに気付きました。
何で、そんな面倒なことをするんだ?
と思って考えてみたのですが、それはたぶん、いろいろな場所の肉から、脂を細かくこそぎ落として利用したいからだろう、と思います。コストダウン精神は立派ですね。
でも肉の専門店がそれをマネはできません。
専門店では、すき焼きに入れる脂の部位にもこだわっています。鍋に入れた時、味や香にかなり影響がありますから、風味が良い部位の脂に限って使っています。
特に鍋から匂う、すき焼きの独特の香りの主役は、気化した脂ではないかと思います。
だから、いろいろな場所の脂をこそぎ落として集めて⇒融かす、ということはしていません。
ブログ読者の皆さんも、すき焼き店に行った時は、牛脂も是非、お楽しみ下さい。
追伸
国際獣疫事務局(OIE)科学委員会は、4日、日本国が口蹄疫に関して「清浄国」に復帰したと認定しました。昨年4月の口蹄疫発生以来今日に至るまでの、関係者の皆様のご努力とご苦心に、私は心より敬意を表明いたします。
また弊ブログの読者の方で、ご自身がブログ・ツイッター等の媒体をお持ちの方におかれましては、「清浄国」復帰の件を、広く世間に周知させるため、ご助力・ご高配を賜りたく、お願い申し上げます。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて343日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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