本当においしいやつ
「〇〇の味が苦手」と言う人に対して、
「それは本当においしいやつを食べてないからだよ」
というマウントを取ってくる人がいると、女性実業家の人がネットでつぶやいていました。
若くて有能で、そして美しい女性実業家に対して、若くなくて普通能力と普通ルックスのオジサン実業家が、食べ物分野でマウントを取ろうとする姿は容易に想像がつきますね。
が、ここでは、そういう関係性はさて置いて、考えてみましょう、「本当においしいやつ」つまり流通量の上位10%くらいは誰でもおいしく食べられるが、その他の90%はそうではないという現象は本当に起きているのでしょうか。
品質面の配慮から薬剤が添加される場合は、そういうことがあるかもしれません。
ワインには、広範囲に流通させるため酸化防止剤が入れられることが少なくないですが、私はあれは苦手です。酸化防止剤の多いワインに遭遇してしまった場合は「本当においしいやつ」を飲みたいなあと真剣に思いますが、同席者に「マウント」とは思われたくないので、何も言わないことが多いですね、私は。
薬剤以外で考えられるのは、産地サイドが偏ったマーケティングをしていて、その手法が業界内で主流になってしまった場合です。
偏ったマーケティングとは、例えばトマト。消費者は酸っぱいトマトは嫌いだと信じて、ひたすら酸味の少ないトマトを生産しようと改良している農家さんがおいでです。結構大勢おいでです。
そうなると、酸味のあるトマトは少数となり、それを食べたことのある人も少数派となります。
その少数派の人たちにとっては、自分が食べたことのあるものが、貴重な「本当においしいやつ」と思えるのかもしれません。
「本当においしいやつ」
「マウント」と言われたくなかったら避けた方が良い表現かもです。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.991本目の投稿でした。
4.000本まで後9日です。