高輪築堤

高輪ゲートウェイ駅開発にともなって「高輪築堤」が発掘されたそうです。

と書いても、?という方が多いと思いますので、以下にご説明致します。

1872年に新橋・横浜間に開業した「陸蒸気(おかじょうき)」が海上を走っている錦絵を見たことがある人はいませんか?

日本初の鉄道を通そうとした時、世間はそれに無理解ですから、用地買収が難航しました。

高輪の辺りはついに買収できず、海の浅瀬に「高輪築堤」を造って、その上に線路を通しました。それで海上を蒸気車が疾走する景色になったわけです。

大変新奇な風景だったので、当時多くの絵師が描き、多数の絵が残っています。(残念ながら「ちんや」の収蔵品には無いですが)

今回その堤の遺構が発掘されましたが、ゲートウェイ駅前は開発されますから、すぐに埋められてしまうでしょう。

時に、少し話題が逸れますが、今回築堤の絵のことを調べていて、この時代の錦絵を多数収蔵している博物館が在ることを知りました。

それは「物流博物館」。

日本通運が1958年に開設した「通運史料室」が源流で、今も日通グループが運営しています。物流に特化した展示のようですが、錦絵が豊富で実に面白いです。「高輪築堤」や新橋駅の絵もあります。

場所は高輪。

現在はリニューアル中でリアルに観に行けませんが、ネットで画像を観られます。お勧めです。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.975本目の投稿でした。

Filed under: 憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)