選択肢

肉のブランドについての私の考え方と、世間の方の認識が一致していなくて、とまどうことがあります。
世間の人は「〇〇牛」というブランドがあれば、その味や見栄えは常に統一されていると思っているようです。
しかし、そうでもないです。
相手は生き物ですからね。それを育てている農家さんにも色んな考え方の人がいますしね。
料理屋が常に決まった「〇〇牛」しか使わないと決めるということは、その範囲内でしか、牛を選べないということになります。選択肢が狭まるわけです。
弊店は、
メス牛で、
月齢30ヵ月以上で、
重量が480KG以下で、
等級は4等級(BMS5~6)
サシの形状が「小ザシ」
という細かい条件設定をしていますが、「〇〇牛」しか使わないと決めてしまうと、その範囲内でしか選べないことになり、条件に合う牛が見つからない→妥協して条件外のものを買うハメになる、ということになってしまいます。
それが困るので、弊店はブランドを決めないのです。
そして、ブランドを決めない方がかえって、味や見栄えは常に統一されるのです。
選択肢が多い中から選ぶ方が統一される=安定しているので、お客様にとっては良い話しだと私は考えていますが、そのお客様本人がブランドにこだわっておいでの場合は、ちょっと残念なことになる場合がありますね。
肉のブランドについての私の考え方と、世間の方の認識が、いつか一致したら嬉しいです。

追伸
3日15日より「しゃくなげ和牛」のメニューをお出ししています。福島復興の一助になればと存じます。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.677本目の投稿でした。引き続きご愛読を。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)