瀬戸際の過ごし方

感染拡大の「瀬戸際」だという2週間が終わるまで、あと三日です。
この間料理屋が販促に乗り出せば、防疫に反する行為だと批判されかねませんので、お客様が少なくて困っていても積極策には出られません。
よって可能な対策は社内の勉強会となります。事態が収束した時の為に、体制を強化しておこうということです。
今はスタッフを少人数に分け、私が自分で講師になって、肉の勉強会をしています。なにしろ、ヒマですから(笑)
そして肉切り体験会も実施します。精肉部以外の、ふだんは肉を切らないメンバーが肉を切るのです。
美味しい肉は切り易く、美味しくない肉は切りづらい
という至極単純な事実があるのですが、それを体感して貰います。
包丁の「入り」が良い時は美味しいと言いますが、同じことです。
美味しくない肉が切りづらい理由の一つは、脂が硬いからです。
どういう場合に脂が硬いかと申しますと、
・オス牛を、
・月齢の若い内に食べる
場合です。
成長ホルモンの出ている内は、脂の中に飽和脂肪酸(=硬い脂)が多いので硬いのです。それを避けるため「ちんや」では月齢が30ヵ月になるまで飼われた牛さんだけを仕入れます。そこまで飼うと脂の中に不飽和脂肪酸(=柔らかい脂)が増えてきます・・・
・・・と書いても、あんまりリアリテイーがないでしょう!
でも、実際に切ってみれば分かるのです。つい先日も研修用にわざと「ちんや」が使わないような肉(25カ月齢の、和牛ではないオス牛)を入手してみたのですが、脂が「これ、もしかして材木なの?!」と思うほどの硬さでした。不慣れな人が切ろうとしたら危ない位です。
そう言えば、牛の屠畜場の人が、
最近は脂が硬くて、作業が疲れて辛いとこぼしていると聞きました。
そして肉を切ったら、もちろんそれを食べ比べて、味も体感します。
今は、そういうことをする時期だと思っています。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.662本目の投稿でした。引き続きご愛読を。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)