落合芳幾

小学館の文芸雑誌「qui-la-la」(きらら)で河治和香先生の新連載「ニッポンチ!」が好調です。
和香先生が、「駒形どぜう」の三代目を主人公にした小説『どぜう屋助七』(2013年)にウチのご先祖を登場させて下さって以来、新しい連載が始まるのを楽しみにしておりますが、今回は明治の浮世絵師を主人公にした小説です。登場する絵師の作品がウチにあったりしますので、なおさら楽しみなことです。
登場するのは歌川国芳門下の絵師たち。国芳には歌川芳虎、芳艶、芳藤、落合芳幾、さらには月岡芳年、河鍋暁斎といった弟子がいましたが、国芳が幕府に逆らう位の人だったので、弟子達の性格も皆ユニークで。その人物描写もまた、この小説の面白いポイントだと思います。
4月号には落合芳幾が登場しました。
芳幾の作品を、「ちんや」は所蔵していませんが、その弟子の小林幾英の作品「東京名所内吾妻橋真景」を持っています。
さて、その芳幾は安政大地震で妻子を失いますが、その時の惨状を絵に描き、まず名をあげます。
文久・慶應年間には浮世絵師の第一人者に数えられますが、生来器用であった為錦絵以外にも進出し、仮名垣魯文の挿絵などを書き、明治以降は新聞絵、さらには人形製作と手を拡げます。
仮名垣魯文とは、初期のすき焼き屋を描いた『安愚楽鍋』の作者ですね。
結局芳幾は、器用さが祟って錦絵に専心することはなく、色々手がけた事業は失敗、晩年は悲惨だったと言います。
現代もそうですが、変転する時勢に対応し過ぎて上手く行かない人もいて、そういう人はあまり小説の主人公になりませんが、この小説では次々に登場して来て、面白く読んでいます。

追伸
3日15日より「しゃくなげ和牛」のメニューをお出ししています。福島復興の一助になればと存じます。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.675本目の投稿でした。引き続きご愛読を。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)