ヨーグルト卵とワイン
すき焼きの、ヨーグルト卵を推奨しております。ゲテモノではなく間違いなく美味しいことは「味博士」にも証明してもらいました。
ヨーグルトの酸味は、すき焼きの「甘」「塩」だけでなく旨も抑える形になっていて
→全体としてサッパリして
→すき焼きの「甘塩旨」に飽きてきた後でも、美味しく食べられる
→すき焼きの「甘塩旨」が苦手な人でも食べ易くなる
しかし全体としてコク(=味の総和)を大きくしています。美味しいのです。
(味博士によるくわしいリポートは、こちらです。)
が、店の現場では「普通に食べたい」という方が多いようです。「老舗に来たのだから普通に」という意識なのでしょうか。
私に言わせれば、老舗と申すものは伝統墨守の店ではなく、むしろあれこれ探求する中でものごとの本質に迫って行く店なのですが、今日はその話しではありません。ヨーグルトの話しです。
ヨーグルト卵を使ったすき焼きはワインに合う!
ということで今日はワイン好きにヨーグルト卵を推奨したいと思います。
理由は単純明快。どちらにも乳酸があるからです。
ヨーグルトとは、牛乳に乳酸菌を加えて乳酸発酵させたものです。だから当然乳酸があります。
一方、かなりの割合のワインも、実は乳酸発酵していて、乳酸があるのです。
ワインを樽に入れて熟成させている画像を見たことのある方は多いと思いますが、樽には自然の乳酸菌がいます。そして、その乳酸菌はワインの中のリンゴ酸を食べて→乳酸と二酸化炭素を造るのです。これを「マロラクティック発酵」と申します。
この「マロラクティック発酵」をほとんどの赤ワインはやっています。「マロラクティック発酵」していない赤ワインはボジョレー・ヌーヴォーくらいです。
白ワインは「マロラクティック発酵」していないことがあります。
白ワインは酸味がシャープな方が好まれることもあるからです。リンゴ酸の酸味はシャープでシンプルなので、それを残したい場合はワインの保管温度を低くしたりして、「マロラクティック発酵」を抑制します。
このように「マロラクティック発酵」するとワインの酸味が柔らかくなります。
「鋭角な酢のようなりんご酸から、ヨーグルトのような丸みのある酸に変化します。」と表現していることもあります。
ほら、ヨーグルトが出てきました。
合うのです。ボジョレー・ヌーヴォー以外の赤ワインと、ヨーグルト卵は。
是非ワイン党の皆さんにお試しいただきたいと思います。
では、ヨーグルト卵と日本酒は合わないかと申しますと、そんなことはなく、
・・・あ、この話しは、長くなりそうなので、続きは明日の弊ブログで。
追伸⓵
東京商工会議所が主催する、第16回「勇気ある経営大賞」において、株式会社ちんやが「奨励賞」を受賞させていただきました。
受賞理由は、
「格付や等級ではなくすき焼きにあった肉の提供に向けた挑戦(適サシ宣言)」でした。
権威ある賞を弊社が受賞できましたのは、ひとえに皆様のご愛顧の賜物とあつく御礼申し上げます。
追伸⓶
今夏8月4日より「ちんや」ビル地下1階の「ちんや亭」が、
「肉の食べくらべレストラン」として再スタートしました。
今回すべての肉メニューに「ちょい食べサイズ」(ハーフサイズのこと)をご用意することに致しました。
くわしくは、弊ブログの8月4日号をご覧くださいませ。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.171日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。