神戸ビーフ高騰やまず

神戸肉の品薄を神戸新聞さんが報じました。

業界では良く知られている件ですが、なぜか報道されず、私は不思議に思ってきましたが、やっと出たようです。記事によりますと、

「神戸ビーフの高騰が続いている。訪日外国人のレストラン需要や輸出の拡大で不足が慢性化しているためだ。」

「一方、地元で市民に親しまれてきた街の精肉店では高価格のため地元客から敬遠され店頭でほとんど見られなくなっている。」

「需給バランスが崩れる中で、JA全農兵庫の直営レストラン「神戸プレジール本店」(神戸市中央区)の神戸ビーフ偽装問題も起きた。」

「神戸の人が神戸ビーフのすき焼きを食べるという文化はなくなる」(精肉店)と悲壮な声も聞かれる。」

「神戸市内に約50店ある指定店でも、百貨店や老舗店を除くと神戸ビーフが全くない店も珍しくない。3、4年前から扱っていないというある店主は「肉を増やす体制ができていないのに輸出して流れがおかしくなった」と悔しさをにじませる。」

なぜ「指定店」なのに神戸ビーフが全くないのか?不思議に思った方もおいでと思います。

実は「指定店」と申しましても、神戸肉を優先的に安く仕入れられる権利は無いのです。インバウンド客狙いの振興店が高い値段で買いに来れば、競り負けてしまうのです。実際「近年、30店ほどある同協議会指定のレストラン以外に、神戸ビーフの看板を掲げる店が急増。全体で「おそらく80軒ぐらいあるのでは」(飲食業関係者)という。」

円安によって、

インバウンド客を誘致して、日本の農産物を食べてもらうこと

日本の農産物を輸出すること

これは今の国策の方向性なので、批判しづらい雰囲気があると思います。

しかし副作用があることは、しっかり見ておかねばなりません。

日本の、美味しいのに知名度が今市という肉を海外に売り出したり、インバウンド客に食べてもらったりする、それが上手く行けば万々歳な話しです。

が、やはり、結局、元々有名なブランドだけが独り勝ちしてしまうようです。海外の人は日本の肉の事情などご存じないので、有名なものに食いつきがちですからね。

そこを良く考えないまま国際化だけを進める、現在の流れを、私は、なんだかなあ・・・と思いながら眺めています。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.830日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)