経済動物

肉の業界にいると「経済動物」という単語をよく耳にします。

「牛は経済動物だから・・・」という言い方をします。「産業動物」という言い方もあります。

ウイキペディアによりますと

「産業動物あるいは経済動物は、その飼育が、畜主の経済行為として行われる動物の総称。ただし呼び方としては、家畜・家禽(鶏のみを指す場合)の方がより一般的であり、これに対する名称及び存在が愛玩動物(ペット)である。」

この言葉は法律上の用語でもあり、「産業動物の飼養及び保管に関する基準」という昭和6210月の総理府告示に、その根拠があるそうな。

一般的な言葉である「家畜」を使えば良さそうなものを、わざわざ「経済」と付けるココロは、儲けさせていただく為に飼っているのだ!ということです。「家」が付いていては、なんだか、家族として飼っているみたいですからね。違うんだよということを言うために「家畜」を使わず「経済動物」を使うわけです。

思いまするに、人類は文明を築き、牛達はそういうことを出来ませんでした。

牛さんがいつ生まれ、いつ死ぬのか、どういうDNAを持って生まれて来るのか、その全てが人間の管理下にあります。まさに「生殺与奪の権」を人が握っているわけです。

しかし、です、私が最近考えますことは、牛さんが「美味しく食べられる権」までは奪ってはいけないのではないか?ということです。

人の管理下にある一生だからこそ、食べた人が、

美味しかった!と言う、

笑顔になる、

今日の食事は幸せだったと思う、

明日への活力を貰う、

そういうことにならなくては、牛さんが浮かばれません。「美味しく食べられる権」だけは奪ってはいけないのではないか?と私は思います。

「経済動物」であっても、「美味しく食べられる権」だけは保有すると、地上の憲法に明記できないものでしょうか。

いや、「経済動物」だからこそ、美味しく食べられるように育てないと、食べ手から嫌われて、売れなくなる=経済性が下がると私は思うのです。

牛肉が美味しく食べられるような育て方・流通のさせ方をしないといけません。

「経済」という言葉の名の下に、その他の思考方法をすべて放り出す態度に、私はハッキリとNOを言いたいと思います。

NOと言えるナントカ・・・

ふ、ふっるいなあ。

はい、来月には52歳ですから(笑い)

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.817日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)