まんぼう

飲食店にとっては恨みの対象でしかない「まんぼう」こと「まん延防止措置」ですが、「蔓延」と漢字で書かず「まん延」と書いているのは残念なことです。

「まん」とは蔓(つる)のことであり、ウイルスが蔓のように拡がる様を国民がイメージすれば、もっと感染対策をするように思うのですが、「まんぼう」と言ってしまったので、ユーモラスな魚しか連想しませんよね。

語感がユーモラスなのに飲食店にとっては大打撃なので、なおさら恨めしいのですが、それをここで書き連ねても進歩はないので、ここで話しを逸らせます。

肉業界人は「つる」と聞いて思い出すことがあります。牛の血統のことを古くは「つる」と言いました。

例えば、但馬牛には前田周助という人が19世紀前半に交配した「周助蔓(しゅうすけづる)」という血統がありました。

一方、犬業界では狆(ちん)の血統のことを「筋(すじ)」と言いました。浅草のブリーダー(=弊社)が持っていた狆の血統のことを「浅草筋」と言いました。

この「浅草筋」は珍重されたようで、江戸時代の浅草は狆のブリーディングの拠点だったと評価されています。

動物の種類によって言い方が違うのが面白いですね。この両方を知っているのは、世の中で私くらいなもんでしょう(笑)

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.062本目の投稿でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)