2021年3月31日
犬と浅草
浅草寺教化部が月一回発行する月刊「浅草寺」3月号に
「犬と浅草」
という大変興味深い一文が載っており、「ちんや」のことも書いてありました。それによりますと、
うん、そうなんです、明快で重要な一行です。そして、この文にすぐ続けて、
「すき焼きで有名な浅草の「ちんや」の店名は、明治13年に料理屋に転じる前、江戸時代に諸大名や豪商に狆などの愛玩動物を納め、獣医の役割も兼ねていたことから「狆屋」と呼ばれていたことにちなむそうです。ペットショップと獣医とブリーダーを兼ねたような存在ですが・・・」と書かれていました。さらに、
「当時の狆のブリーディングは非常に高度なもので、その中心となっていたのが、まさに浅草だったのです」(出典『江戸時代における狆飼育について』)
「十代将軍家治の世嗣であった家基が、鶉をはじめとした鳥や狆を見に、浅草へやって来たこともあったそうです」
「浅草は江戸時代のペットブームの先端を行く地域でした」
ここには書かれていませんでしたが、狆の業界では「浅草筋」すなわち浅草のブリーダーが持っている血統が珍重されていたそうで、「浅草は狆のブリーディングの拠点」というのは間違いないことだと私も考えています。
著者は徳川林政史研究所非常勤研究員の浦井祥子先生。寛永寺の浦井先生のお嬢様ですね。
浅草の狆のこと以外にも綱吉の「生類憐みの令」の件なども載っています。勉強になりました。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.050本目の投稿でした。
Filed under: 浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 8:00 AM Comments (2)