ホッキョクグマホテル
動物をどう扱うか、
について、世界には違う感覚を持つ人々がいて、現代の一つの論争のテーマだと思います。
動物を大切に扱う人は、先進国民、上級国民と言われ、
そうしないと後進国民、下級国民と言われます。
が、先進側が後進側を差別して良いということでもありません。
例えば、最近話題なのは中国ハルビン市の「ホッキョクグマホテル」。
ガラス張りのクマの飼育スペースを取り囲むようにホテルの客室やレストランが配置されていて、どの客室からも24時間ホッキョクグマを見ることができるとか。
当然ながら動物愛護団体からの批判を浴びています。
「ゲストはホテルに飽きたら帰宅すればいい。でもホッキョクグマに行き場はない。家族から引き離され、故郷に戻れず、人間のエンターテインメントのために生きなければならないのならあまりにも悲惨だ。」
「常にライトに照らされ、たくさんの窓に囲まれた場所で過ごすなんてストレスに違いない。まずは人間を展示スペースに入れて試してみるべきよ。」
このホテルは勿論ひどいです。が、だからと言って、
これだから中国人は・・・
と民族の問題にもって行くのは、私は違うと思います。何故なら明治時代の浅草でも見世物小屋が大繁盛だったからです。動物だけでは足りず、障害のある人間を見世物にしたこともありました。
当時は浅草の見世物小屋だけでなく、もっと公式な博覧会で人を見世物にしたこともありました。
東京府が1914年に開催した「東京大正博覧会」には「南洋館」という施設が建てられ、「ベンガリ種族」、「マレー種族」、「ジァヴァ人」といった人達が、日常生活の様子を見せたり、舞踊を演じたりしていました。当時これを「人種の展示」と言っていたそうです。場所は上野公園です。
「人種の展示」って私は「リアリティ番組」「リアリティショー」に近いと思います。だからそれを面白がって放送したり視たりしている現代日本人は、中国人や大正の日本人を馬鹿にできないよなあ、というのが私の感覚ですね。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.038本目の投稿でした。