彦根の味噌漬け

日本資本主義の父・渋沢栄一の生涯を描く大河ドラマ「青天を衝け」は、

まずまずの視聴率と聞いております。

渋沢は経済人ですから当然いくさをしないですね。いくさ無しでどうやってドラマを盛り上げるのか興味深く拝見しておりますが、描き方が、結構、ゆっくりですねえ。

まだ渋沢が徳川慶喜に出会っていません。時代はやっと井伊直弼の時代で、直弼が新しい描かれ方をしています。

この直弼という人物は、たぶん大河では描かれないと思いますが、日本の肉食の歴史にも面白い1ページを提供しています。

熱心な仏教徒で、牛の屠殺を止めてしまったのです。

直弼は若い頃大変ヒマでした。

彦根藩の第13代藩主の子として生まれましたが、十四男でしかも側室の子だったので、藩を継ぐ可能性はまずないです。子のいない他藩に養子に行くのを待っている内に32歳にまでなってしまいました。

17歳から32歳までの15年間、特に用事のない「部屋住み」の存在として過ごし、その間ヒマだったので、茶道や和歌に熱心を学びました。仏教にも帰依しました。

そうこうしている内に兄が死に、彦根藩主となると、牛の屠殺を止めてしまったのです。

それまで江戸時代彦根藩は牛を屠殺して味噌漬けを作ることを認められていて、将軍家などに納めていました。

慶喜の父・徳川斉昭も、その肉を楽しみにしていて、贈ってくれと要求する手紙を直弼に出すほどでした。直弼が斉昭の要求を拒絶したので、関係が悪化したという説を唱える人がいますが、流石に眉唾学説なので、それは大河ではやらないでしょうね。

対する慶喜は斉昭の子だけに肉好きで、「豚一殿」とあだ名をつけられるほどでした。さて、そのあだ名は大河に出るでしょうか。楽しみです。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.063本目の投稿でした。

Filed under: 憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)