迷惑ですか?
最近知人が浅草に来て、街を歩いていて、
〇〇商店街は食べ歩きが禁止なんですよね?
と聞かれて、私は大いに驚きました。
ここで「食べ歩き」と言っているのは、何軒かの飲食店をハシゴするという、従来からの意味の「食べ歩き」のことではなく、路上で食品を食べること、つまり「歩き食い」のことを言っています。私は「歩き食い」なんてことは特に禁止されなくても、そもそもしないものだと信じていたので、浅草のごく一部の商店街だけで禁止されている(逆に言えば、その他の商店街ではフリー)と聞いて、ショックを受けました。
それに、だいたい、商店街が観光客の行為を独自に「禁止」とかできるのか・・・
そんなことを考えていたら、この問題を3月1日の朝日新聞が採り上げました。題して、
「食べながら観光、迷惑ですか?」
記事の中では浅草の「伝法院通り商店会振興組合」「浅草壱福小路」が禁止していると書かれていました。
へえ、そうだったんですか(笑)
さらに記事によりますれば、鎌倉市では「歩き食い」~正確に言えば「狭隘な場所または混雑した場所で、歩行しながら飲食を行う等他者の衣類を汚損するおそれのある行為」を「迷惑行為」と認定して、規制する条例が審議されているとか。
どうも鎌倉市は以前から観光公害やオーバーツーリズムに抗う姿勢が顕著で、きっと、それは鎌倉が観光地でも高級住宅地でもあるからだろうと思います。私は結構なことだと思います。
が、この条例に実効性はあるでしょうか。
今はSNSの時代ですから、事情を良く知らない観光客は、自分が歩き食いしている様子をどんどんネットに上げてしまいます。それを視た人がすぐマネするでしょう。
10年前なら、ここまでSNSが普及していなかったですから、商店街としては、テレビで歩き食いしているタレントをみつけたら、その局に苦情を入れれば良かったのですが、今は相手が全世界の人ですから、条例が効くとも思えません。
しかし、実際問題、路上に食べカスが散乱すれが、害獣・害虫の餌になって不衛生ですし、近隣の「歩き食い」以外のお店にとっては、あぶらぎった手で商品を触られてしまうので、物損が生じます。
結果、商店街の中で不和が生じてしまい、商店街は街の基本ですから、由々しき事態であることは間違いないのです。
「歩き食い食品」を提供する事業者が、ゴミ処理や清掃のコストを、きちんと負担するよう義務づけない限り、不和の種はなくならないと思います。
利害関係者と法律家が入って、有効な対策がとれないのか議論する時期に、もう来ていると思います。