100年経営アカデミー③
100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、
「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。
「100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。
6/11から講演全文を公開しています。長いので16回に分けて少しずつUPしております。
<「100年経営アカデミー」住吉史彦講演(2017.6.10)>
さてさて、簡単に略歴を申しますと、私は1965年12月3日生まれでございます。繰り返しますが、12月3日が誕生日です。ここ、メモリましたか? あ、男はメモらなくて良いです(笑い)早く先に行けですって(笑い)そうですか、では先に行きますが、
浅草寺幼稚園、浅草小学校に行き、中学から慶應に入りまして、1988年に大学を卒業しました。学生時代はそのまんまバブル時代という温い環境でしたね。それから8年間のサラリーマン生活を体験し、6年間父の元で修行した後、私が六代目として「ちんや」の社長に成ったのは、2001年8月、36歳の時でした。
当時自分の将来・自分の人生について危機感などというものは勿論持ち合わせていませんでした。以来在任16年です。
7月が決算月でして、8月に就任しましたから、再来月で、満17年ということです。店は今年で137年ですから、その内の12%弱を私が担当しました。2019年には、12.9%つまり八分の一を私がやったということになります。その時はちょっとだけ感慨を覚えるかもしれません。
この17年間には、結構、色々なことがありましたが、まず、就任翌月にいきなり私が遭遇したのがBSE問題でした。所謂「狂牛病」ですね。
忘れもしない、2001年9月10日、これはNYのビンラディンのテロの前日ですが、その9月10日に BSE の疑いがある牛が、日本で初めて発見されたと農水省が発表したのです。「牛を食ったら死ぬかも・・・」という話しですから、大変です。売上は半分になって、3年間は回復しませんでした。
その後、日本で最後にBSEの牛が確認されたのは2009年1月で、それ以降は発見されていませんから、完全にBSE問題が終結したのは2009年だと言って良いでしょう。2001-2009は、景気が悪かったこともあり、牛の業界にとっては、本当に苦しい日々でした。
牛の業界の苦難は、それだけではありませんでした。2010年には宮崎県で口蹄疫が流行し 30万頭弱の牛が殺処分となりました。
2011年の東日本大震災では、原発から飛散した放射性物質が付着した餌を食べた牛が体内被曝して、その肉が流通してしまいました。観光客の激減や飲食自粛もあり、これまた本当に苦しい日々でした。
この苦しい日々が私の社長歴と完全に重なります。
実は今日はですね、こういう感じで、私が経験した大きな危機の実話をしてみたいと思います。
それから、浅草の老舗の先輩方と話しあったことなんかもご紹介してみたいと思います。浅草の老舗の件は、皆さんに配布させていただいた、私の本『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』を後でお読みいただきたいのですが、これは昨年2月出したものでして、浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指した本です。この本を作る過程で感じたことなども後でお話ししてみたいと思います。
日本の老舗全体の傾向については、後藤俊夫先生が素晴らしい研究をなさっておられますから、私が四の五の申す場合ではありません。今日の私の話しはですね、俯瞰的な視点は完全に脇に置きまして、実際に私が見聞きした話しに限って、お話ししたいと思います。
実際、永続している企業は、必ずなにかしらの危機を体験して、そこを突破しているわけで、突破しなければ今は存在していないわけですから、やはり事例は大切です。その事例のお話しを致します。そして先に結論を申しておきますが、
<今日の分は終わり。続きは明日の弊ブログにて>
追伸1
6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。
今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、
「世界が恋するWASHOKU」。
旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。
追伸2
拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.662日連続更新を達成しました。