与謝野晶子と百選会
サラリーマン時代の上司から久しぶりに連絡があり、自分が関わった展覧会の図録を贈るから読んでくれとおっしゃいます。
なんだろう?と思いながら待っていますと届いたのは、
髙島屋史料館開館45周年記念「きもの讃歌 与謝野晶子と百選会」展の図録でした。
この展覧会は与謝野晶子と「高島屋百選会」の関わりをまとめたもので、図録は180ページにも及ぶ立派なもの。素晴らしいお仕事です。金字塔と言って良いのではないでしょうか。
「百選会」とは、呉服の新作を披露する催事で、1913(大正2)年か1996年まで戦時中をのぞき毎年続けて開催されていました。毎年趣意(テーマ)や流行色、標準図案(デザイン)を設定して、新機軸のきものデザインを公募・審査して、入選作を展示するというもので、単なるデパート催事を超えたファション発信運動とも言うべきものでした。
その「百選会」に、与謝野晶子は顧問として長期間関わり、審査をするだけでなく、多数の短歌を詠みましたが、その短歌は、これまで与謝野の過去の全集などにほとんど掲載されず、忘れられた存在だったそうです。与謝野研究の方面から観ても新発見だというのですから、さらに素晴らしいことです。
私の上司は、この「百選会」を運営する「本社業務部」に在籍して、のち「本社美術部」に移って私と一緒になりました。定年後、昔の「百選会」の資料を整理しておられたとは知りませんでした。
図録を拝読して、これだけ熱を帯びた仕事が、これだけ長期間に渡って続いて来たことに圧倒されましたが、しかし残念なことに私が辞めた年に「百選会」は中止になっていたようです。知りませんでした。
それから20年以上たちますから、きっと現役の社員さんでもこのことを知らない人が多くなっているのでしょうね。
この展覧会を機会に、多くの人が知ってくれたら良いですね。
追伸
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