薩摩琵琶
気鋭の琵琶奏者・友吉鶴心さんの「第二十三回 花一期 友吉鶴心琵琶楽の會」を聞いてきました。
会場は国立能楽堂、毎年の「花一期」がもう二十三回目とは、素晴らしい継続性です。
さて、鶴心さんの琵琶は薩摩琵琶です。
それも、明治時代に、すき焼きと同じ頃に東京に広まった、「近代薩摩琵琶」でして伝統薩摩琵琶とは少し違います。明治政府の成立と共に大勢の薩摩の人達が東京に入って来て、琵琶も入って来て、それを東京人が聞いて、それがなかなか面白いね!と広まったわけです。それが「近代薩摩琵琶」です。
当時は、軍人さんなんかが宴会芸で琵琶を披露していたそうです。
軍人さんが琵琶を習っていたのは、日本は明治から大正にかけて海軍が強うございました。で、海軍の大将になる方は、だいたい薩摩の出身です。東郷平八郎元帥とか。だからみんな薩摩琵琶を習い、そこから民間へも広まったそうです。
今では考えられませんが、歌舞伎座で薩摩琵琶の演奏会が昼夜3日も4日も連続で開かれたことがあるそうです。そのくらい、元は海軍ですが、民間にも広まったんです。
それが太平洋戦争で一度、衰退してしまいます。
そこで友吉さんの師匠の鶴田錦史さんが、『ノヴェンバー・ステップス』(1967年)の武満徹さんとペアを組んで、琵琶を世界に広めていった。琵琶再興に努めた方が鶴田錦史さんでした。
入門したのは、友吉さんのお爺さんと親しかったからとか。
で、毎年の公演が23回目に。
今回の演目は「那須与市語」「嶋の為朝」「壇の浦」でした。
追伸
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