柔燗

金升酒造さんの「柱焼酎仕込み」の御酒の会を予定しております関係で、燗つけの練習をしています。

「柱焼酎仕込み」とは、自社製の焼酎を醸造アルコールとして添加した御酒です。

アル添の度数が低く、本物の焼酎を使っている分、燗をつけた時のアロマが素晴らしく、所謂「酒臭さ」がありません。燗酒に最適と思います。

ですので、上手に燗つけしないといけません。

さらに今回の試みとして、座敷の中で燗つけをします。席に熱源があるという、すき焼き屋のメリットを活かし、燗つけのプロセス自体をも楽しんでいただく酒肴ですイヤ趣向です。

燗のつけ方は「土鍋燗」です。

すき焼き用のガス台の上に土鍋を載せ、それで湯せんするのです。その練習をしています。

試した結果、

御酒が柔らかいです!

普通の湯せんでも御酒が柔らかく感じますが、土鍋燗は、気のせいもあるかもしれませんが、さらに柔らかく感じます。55℃でも全然キツく感じません。

当日は、常温、ぬる燗(40℃)、上燗(45℃)の3種類を飲み比べていただく予定ですが、もう少し高めでも良いかもしれせん。

もう一つ気づきましたのは、土鍋の保温力です。これはスゴいです。

適温になったので火を止めて試飲して、写真をFBにUPして、それからまた戻っても、ほとんど温度が下がっていませんでした。

だから、いったん湯音を上げてしまいましたら、火を止めてしまっても、燗がつけられます。

酒が湧いているような熱い燗がお好きな方もおいでではありましょうが、そういう酒は何盃も飲めません。

腰を落ち着けて味わうには、やはり柔らかい燗ですね。

「ぬる燗」って、旨そうな感じがしませんから、変えませんか?

「柔燗」に。

「じゅうかん」じゃあ、体罰イメージがつきまといますから、「やわかん」と読みましょう。

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は336人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.079日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

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気象庁批判

「最近の天気予報はズルい」と思っていたのは、私だけではないようです。

どうも大げさに予報する傾向があり、気象庁の自己保身に見えてしまうのですが、ブログでそう書くことは、流石に私は控えておりました。

予報のせいで、お客様のキャンセルが入るのが悔しい、と解釈されたらつまらないですからね。まあ、実際、そうなんですけど。

それで気象庁批判を控えておりましたら、私よりよほど歌劇に、イヤよほど過激に批判している人がいました。

それは、東京都のイノセ知事。

しかもツイッターで批判を展開します。

「天気予報は科学なのに責任に対する心理に支配され歪んでいる。成人の日に外れたので過剰に積雪量を2度も見積もった。多めに先読みすれば責任逃れができるとする姿勢がもし3度目にあったら責任を追及します。狼少年は許さない。気象庁の自己保身のためにどれだけの組織、人が迷惑を与えられたか」

このコメントは勿論、2/6の降雪量予想が、大げさ方向で外れた件についてのコメントです。

成人の日の大雪を予想できずに、大して積もらないと言ってしまい、それで混乱が起きたので、気象庁は一転2/6は「降るぞ!降るぞ!」と大騒ぎしました。それが結局外れたことを東京人ならほぼ全員がご存知でしょう。

実は、私はその前夜25時位まで飲んでいたのですが、店を出ると、ポツポツと雨が降り出しました。

で、その時の気温は9℃。一緒に居酒屋を出た仲間と、

これから朝までに0℃以下に下がるとは思えないよねえ。今回予報は外れるよね、ゼッタイ!と言い合っていました。

果たして予報は外れ、しかし2/6の弊店の営業成績は、予報の線に沿ってガタガタでした。朝方以外は、普通の雨だったんですけどね。トホホです。

こんな様子では、雪国の人に笑われますよね。

新発田の金升酒造の御主人は「雪が降ると夜の街に出たくなる」と言っておいででしたが、東京人も、そう成ったら良いですね。

そう成ったら、やめますよ、気象庁批判なんて野暮なことは。

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

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追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

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皆様も、是非御参加下さい!

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うなりくん

浅草の鰻の名店「小柳」さんが、しばらく営業をお休みすることになりました。耐震性の高い店舗に建て替える為です。

建国記念日をもって営業をいったん休止ということでしたので、その直前の立春の日に「浅草うまいもの会」の新年会を「小柳」さんで開くことになりました。

当然その夜は、有終の美を飾るべく気合いを込めた御料理の数々を頂戴しました。

やがて宴もハネて、感涙の面持ちの女将・若女将に見送られて一同店を去りました。名残り惜しい、とは当にこのことです。

年末に営業再開予定とのこと。新築工事の御安全を、心より祈念いたします。

さて、うまいもの会の新年会の余興と言えば、私が作るクイズです。吉例により、今年も「うなぎクイズ」を開催させていただきました。

勉強になって楽しいですので、皆さんもトライしてみて下さいね。

<吉例「うなぎクイズ」浅草うまいもの会新年会@「小柳」さん旧店舗2013.2.4>

(1) まずは簡単な問題です。土用の丑の日と言えば、鰻屋さんの繁忙期ですが、この日にうなぎを食べることを推奨した、江戸時代の人と言えば誰でしょう。簡単ですねえ。3秒以内にお答え下さい。

①貝原益軒(かいばら えきけん) ②平賀源内 ③本居宣長(もとおり のりなが)

*はい、皆さん、このクイズは一応新年会の余興ですのでね、無言で回答カードを揚げるのはやめましょうね。イチっ!とか ニー!とか叫んで下さいね。声がデカい方を正解にする場合もありますから(笑い)よろしくお願いしますよ。はい、次の問題に行きます。

(2)うなぎの調理法に関する問題です。武士の町・江戸では腹開きは切腹を連想させるので、うなぎを背開きにし、一方町人の町・大阪では腹開きは「腹を割って話す」につながるということで腹開きにいたしますが、さて、その開き方の東西の境界線は、どこでしょう。

①  天竜川 ②木曽川 ③箱根山地

(3)うなぎの生態に関する問題です。最近東京大学海洋研究所が、ニホンウナギの産卵場所を突きとめることに、ついに成功しましたが、その産卵場所は、ずばり、どこでしょう。

① アリューシャン列島 ②マリアナ諸島 ③尖閣諸島

(4)世界のうなぎ料理に関する問題です。日本で「うなぎパイ」と言えば、浜松市で作られている「うなぎパウダー」入りの菓子パイが有名ですが、世界には全く異なるうなぎパイがあります。ぶつ切りにしたウナギをパイ生地に入れて焼き上げた、本物のうなぎパイを食べているのは、さて、どこの街の人々でしょう。

① サンクト・ぺテルブルグ ②ロンドン ③サイゴン

(5)食のタブーに関する問題です。世界各地の宗教には、それぞれ独特の戒律がありますが、「鱗の無い魚は食べてはいけない」という戒律があり、したがって鱗が目立たない鰻を食べることがタブーとされている宗教は、何教でしょう。

① モルモン教 ②ヒンズー教 ③ユダヤ教

(6)和歌に関する問題です。現存する最古の和歌集と言えば『万葉集』ですが、その『万葉集』の中で、歌を読み上げますが、「石麻呂に吾(あれ)もの申す夏痩せに良しと言ふ物ぞ むなぎ取り食せ(めせ)」と詠んだ歌人は誰でしょう。

① 大伴家持 ②坂上田村麻呂 ③大海人皇子(おおあまのみこ)

(7)漫画の問題です。「イヌのくせに『泥棒ねこ』だった」父イヌが、盗みに入った魚屋で母ウナギを見初め、そのまま駆け落ちして生まれたキャラクターと言えば「ウナギイヌ」ですが、その「ウナギイヌ」を考え出汁たイヤ考え出した漫画家と言えば誰でしょう。

①水木しげる ②赤塚不二夫 ③石ノ森章太郎

(8)最後です。これは難しいなあ。ゆるキャラに関する問題です。「彦にゃん」と言えば、猫を使った滋賀県彦根市のキャラクターですが、「うなりくん」と言えば、うなぎを使った、どこの街のキャラクターでしょう。わからないでしょうけどね、3秒以内にお答え下さい。

①  宮城県鳴子温泉 ②千葉県成田市 ③千葉県成東町(なるとうまち)

<正解>

1-2、2-1、3-2、4-2、5-3、6-1、7-2、8-2

ところで、この「うなりくん」というのはシュールです、かなり。

可愛くて青いうなぎの体に主翼と尾翼が生えており、足も生えているのです。

成田だから⇒うなぎとジェット機という、あまりのシンプルさに驚愕です。「ウナギイヌ」以来の衝撃力と申せましょう。

皆さんも一度ネットで画像をご覧ください「成田市特別観光大使」でもあるそうですし。

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
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追伸②

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IH土鍋

皆さん、「IH対応土鍋」って、ご存知でしたか?

実に素晴らしい道具です。

アンチ東電・アンチIHの私が申すのですから、間違いないです。

え? 素晴らしい・素晴らしくない以前に、そんなものが存在し得るのか、土が電磁波に反応するなんて聞いたことないぞ って?

それがですねえ、存在するんです。

しかけをご説明申しますと、「IH対応土鍋」の鍋底には、金属製の円盤が嵌め込めるようになっていて、その金属が電磁波に反応して熱くなるわけです。

まあ、日本人は色々考えるもんです。

で、問題は、何故この土鍋が素晴らしいか、です。

円盤を嵌め込めるようになっていることが素晴らしいのです。

金属の円盤を嵌めるために、完全に平らで、完全な円型の溝が作ってあるのです。

この完全に平らな部分に徳利を置き、燗をつけるのです。

「土鍋で燗」は、とても情緒があって良いと思うのですが、問題は、鍋底の面です。たいていの土鍋の底は丸みを帯びているので、徳利が上手く立たないですよね。それが悩ましく使いにくいのですが、その問題点をIH土鍋は解決してくれるのです。

実は、近々、新発田の「金升酒造」さんの燗酒の会をしようと思っているのですが、その宴会では、この土鍋を客席へ持ち込み、普段すき焼きを煮ているガス台にかけて、燗を楽しもうと思っています。

席に熱源があるという、すき焼き屋のメリットを活かし、燗つけのプロセス自体をも楽しんでいただく考えです。

そう、IH土鍋をガスで温めるわけです。なんか、それだけでも愉快ですよね。

気になるのは、円盤の行く末。

捨てる以外に方法はないのか・・・

追伸、底が平らな土鍋が欲しい、という私のヘンな希望に対して、IH土鍋を提案して下さった、合羽橋の料理道具店・㈱飯田さんに、末筆ながら御礼申し上げます。

追伸①

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新発田麩

「新発田麩」を、地元の「金升酒造」の御主人から戴きましたので、すき焼きに入れてみました。

「新発田麩」というのは、新潟県新発田市の「宮田製麩所」さんの、オリジナルの麩です。

結構おおぶりで、直径が8cmほど・高さが4.5cmあり、饅頭のような形をしています。

地元では「饅頭麩」とも言って、名物だそうです。

それを「水にひたさず、そのまま2~4つに切って、だし汁の中に入れて煮て下さい。すき焼き、お吸い物、中華料理などに最適です。」とパッケージに書いてありましたので、その通りにしてみました。

通常我々すき焼き屋は、麩を水で戻してから、ザク皿に盛りますが、新発田では違う方法なのですね。

この「新発田麩」を、宮村製麩所さんは明治35年(1902年)の創業以来、作って来られたそうです。食文化ですねえ。

麩以外にも、新発田には日本酒や和菓子などの食文化がありますが、そのような街が出来たのは、新発田が城下町だったからです。

しかも豊臣時代から幕末まで、同じ溝口家の殿様が転封なしで居続けた、という珍しいケースです。歴史的文化財が多いのも当然です。

しかし新発田が面白いのは、それだけではありません。明治レトロ~昭和レトロな街でもあるのです。

新発田には、明治時代に陸軍の連隊が置かれ、それ以降終戦まで、この町は「軍隊の町」に成りました。今でも陸上自衛隊の駐屯地が在ります。

軍の在るところ、肉が必要です、当然。

で、人口10万人ほどの小都市なのに、老舗すき焼き専門店が残っているのだそうです。また老舗洋食店で、すき焼きが食べれられる店もあるとか。

そうです、ここまで例によって受け売りで書いてきましたが、「人口10万なのにすき焼き屋が」と知ってから、私は新発田にガゼン興味を持つようになった次第です。まあ、ごく最近のことです。

そんな一知半解の知識でも、新発田は、隣の大都市・新潟よりすき焼き度がグンと高いと、私は断言できます。

まだ訪ねたことがありませんので、今年は豪雪だとかで、冬場に行くのはキビシいようですが、雪が溶けたら是非訪ねてみたい、と思っています。

皆様も、是非に。

さて、話しは戻って「新発田麩」のすき焼きですが、小麦グルテンの魅力を強く感じさせる食べ物でした。

こういう独自の食文化は是非今後も残していただきたいものです。

追伸①

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 現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

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春菊の素揚げ

「東都のれん会」の打ち合わせが会員店の、東日本橋の「鳥安」さんでありました。

「鳥安」さんは、合鴨すき焼きの御店ですが、すき焼きと言っても、実際はオイル焼きです。

鴨の色々な部位の肉と野菜を、専用の鉄鍋の上に載せ、鴨の脂で炒めていきます。それを大根おろしと醤油で食べるのですが、実に旨い食べ方です。

鴨が旨いのは勿論なのですが、今回感心したのは春菊です。

鴨すきには、葱・春菊・しいたけといった、牛すき焼きととても良く似た種類の野菜が付いていますが、春菊の旨さは格別です。

その旨さの理由は、特製の鍋の構造に在るようです。

「鳥安」さんの鍋には、深さ2センチ、間口5センチほどの溝が造ってありまして、そこに鴨の脂が溜まります。

その溜まった脂で野菜を「素揚げ」にするわけで、これが実に旨いです。

この食べ方が、春菊の一番旨い食べ方ですよ!

と御主人は豪語しておいででしたが、

悔しいことながら同意します。

牛すき焼きでの春菊も旨いことは旨いですが、鴨脂での「素揚げ」に敵わないことを認めざるを得ませんね。牛すき焼きも少し工夫しないといけません。

また、「鳥安」さんは、「合鴨一品」と自称している通り、メニューが合鴨すき焼き1アイテムのみで、そのことにも驚かされます。

商売をする中で、間口を広げないことの重要性を教えてくれます。名店です。

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集団受験

弊店で実施している「すき焼き通検定」試験に新展開があります。

とある団体の方々がまとまって受験なさるのです。

これまでは原則酵母で、イヤ原則公募で、個人の方に一人ずつ参加していただきましたが、今回は、その団体の方20人ほどがまとまって受けるのです。

試験日も特別に、その団体の例会日にあわせました。

・まず私の講演を聞いて、

⇒試験を受けて、

⇒宴会をして、

⇒その間に採点、

⇒宴会の最後に合否発表!

という段取りです。

合否発表の時に酒が入っている、というのは「すき焼き通検定」史上初めてのことで、盛り上がり過ぎないか、チト心配です。

で、その団体さんのことですが、

社団法人「集団給食協会」という団体名です。

そう、給食業者の業界団体ですね。

業界団体ではありますが、公益社団法人の法人格を獲るべく準備中ということです。

公益社団に成るには、一般社団と違い、公益性の高い事業をたくさんやらねばならず、また経理や人事も透明性の高いにものにせねばならず、結構大変です。

サイトによりますと、集団給食協会さんは、

「公益団体としての役割を認識し、人々の健康を支える給食サービスに必要不可欠な保健衛生の普及啓発と人材育成を図り、安全・安心・信頼できる給食環境を醸成するとともに食育を推進し、都民の健康づくりに貢献することを目的に今後も活動してまいります。」

ということだそうで、事業内容も一般人相手の食育事業など、既に充実しています。

先輩が、ここの役員をなさっていて、それで今回「受験を!」ということになった次第です。

社会貢献の志が高い皆さんは、流石、勉強も熱心ということのようです。

すき焼き通の勉強をなさることが、今後の業界の発展に資するようなら幸いです。

1/21が試験日です。関係者の皆さん、お励み下さい。

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
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「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.055日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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住吉史彦の十大ニュース2012

お待たせしました!

今年も「住吉史彦の十大ニュース」の時間がやってまいりました。

え? 誰も待っていないって?

そういう声は無視して、どんどん行きましょう。

今日はポイントだけを書きますので、詳しい内容を知りたい方は、アンダーラインのある所をクリックして下さいね。さて、

 

2月 第11回「すきや連」を松阪市「和田金」さんにて開催しました。

かの有名な和田金牧場を見学させていただきました。流石の御仕事ぶりに一同感心しきりでした。

3月「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を、2012.3.11よりスタートさせました。

この計画では東北の牛を食べていただき、食後のお客様の笑顔画像を特設サイトにUPして行きます。画像が千人に達するまで続行します!

笑顔画像はこちらでご覧になれます。

4月「ニッポン全国彪友会―台東万博!」を開催しました。

二条彪先生に師事する経営者の皆さんに、全国から浅草へお集まりいただきました。かつてなく熱い会になったと思います。

6月 月刊『料理通信』に服部幸應先生が連載なさっている「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーに載せていただきました。

ご評価いただき大変有り難いことでした。

7月 福島県酒造組合さん・福島県清酒アカデミーさんのお招きにより講演をさせていただきました。演題は「老舗の生き抜き方」。

講演後には蔵主の皆さんと会津若松市東山温泉で楽しく懇親させていただきました。役得でした。

7月「すきや連」番外編「カレーすき焼きの会」を「茅ヶ崎館」さんにて開催しました。

カレー粉とすき焼きが、あんなに合うとは新鮮な発見でした。

8月 第12回すきや連を米沢市「登起波牛肉店」さんで開催しました。

契約牧場を見学させていただき、牛さんを大事にする姿勢に感動しました。

9月 「老舗ボッサ」を開催しました。

すき焼きとボッサノーバ!御機嫌でした。

11月 BSテレビ朝日の番組『幸福の一皿~美味しさの物語』に出演させていただきまいた。

まるごと1時間すき焼きだけを採り上げて下さいました。ご出演の二代目中村吉右衛門さんの語りも流石の上手さで、実に有り難いことでした。

11月 第13回すきや連を「人形町今半」さんで開催しました。

長期熟成肉のすき焼きをいただきました。すき焼きにチャレンジなさる姿勢に感心しきりでした。

 

そして、もう一つ番外ニュースですが、ご存知の通り、

11月 弊ブログが連続更新1.000日を達成しました。

この1.000日間には、あまりに多くのことがあり、決して一生忘れることのないだろう日々だと思います。

 

いよいよ2012年の弊ブログも本日が千秋楽となりました。万感胸に迫り、大したことは書けません。

まずは御礼だけを申し上げます。

読者の皆様、ご愛読いただき誠にありがとうございました。

2013年もご愛顧を賜りたく、心よりお願い申し上げます。

東西、東〜西〜

ノーウォーク・ウイルス

もういくつ寝ると、 皆さんはお休みでしょうが、
私はバトルの季節です、当然。 さて、

ノロ・ウイルスの大流行で、全国の野呂さんが迷惑しているそうです。

確かに我がPCも「のろういるす」と入力すると「野呂ウイルス」と変換します。

私は駄洒落が好きですが、野呂さんのお子さんが学校でイジメられては洒落になりません。今後は「ノーウォーク・ウイルス (Norwalk virus)」と呼びたいと思います。元々、米国オハイオ州のノーウォークという町で発見されたのが語源だからです。

この街の小学校で1968年に集団発生した急性胃腸炎患者の糞便から検出されたのが最初なのです。

数年前まで「SRSV(小型球形ウイルス)」と呼ばれていて、

なんか呼びにくいなあ~

と思っていました。やがて「ノロ」という呼び方に変わって、

それは言いやすい!

と思いました。店の朝礼でも、

野呂に気をつけましょう!いや、

ノロに気をつけましょう!

と言っていましたが、まあ、野呂さんのことを想えば、止めた方が良いでしょう。

当初は、牡蠣などの貝類に居ることが多いと言われていて、牡蠣生産者や牡蠣料理専門店の方がとても苦労をされました。私も広島の専門店のMHOさんから、色々と事情をうかがったことがありました。

しかし、今回のような大流行となると、

牡蠣を原因とする食中毒の領域を、完全に超えています。

ノーウォーク・ウイルスは、人間の腹の中で爆発的に増えますので、人間が戻したり・下したりした汚物の中に大量のウイルスが居るのです。

ですので駅のトイレなんかに入ったら、もうテキメンにうつると思っていただきたいです。

そうです、現状は、牡蠣専門店や飲食店だけが気をつければ良い状態では完全になくなっていて、国民全体に注意喚起しなければいけない状態です。

悪い事に、このウイルスはアルコールでは死なず、殺菌は次亜塩素酸でするのですが、手を次亜塩素酸に漬けたら荒れてしまうので出来ません。

流水で丁寧に洗って、洗い落すしかないのです。困ったことですが、国民全体で手を洗う他ありません。

全国の野呂さんの皆さん、是非ともご協力を!

なお、野呂さんという苗字は、伊勢地方の特に三重県多気町に多く、また青森県津軽地方の、特につがる市にも多いそうです。多気町は松阪牛の生産地ですが、そう言えば牛の生産者の名簿で野呂さんという名前を良く見つけます。

この2ケ所に集中していて、苗字の分布としては異色だそうです。

不思議ですね。やっぱりウイルスの名前には似合いません。

「ノーウォーク」で行きましょう。

追伸①

テレビ東京の番組『L4YOU!』の中の、「榎木孝明のふれあい散歩 年末の浅草編」というコーナーに出演させていただきます。

平成24年12月28日16時放送予定です。 是非ご覧ください。

番組について詳しくは、こちらです。

追伸②

東京MXテレビの特番『とっておき!老舗の極上味めぐり』に出演いたします。

ご出演は杉浦太陽さんです。

平成25年1月3日15:00~放送です。是非ご覧ください!

追伸③

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は327人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.032日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした

Filed under: ぼやき部屋,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

お友達内閣

世襲の良し悪しについて、考えざるを得ません。

日本の新総理が元総理の孫で、韓国の新大統領が元大統領の娘だからです。これに北朝鮮も加える人がいるようですが、実に悪い冗談ですね。

アベさんは、今回「お友達内閣」にしない!ということらしいですが、閣僚候補の皆さんは軒並み世襲組ですから、国民から見たら、おそらく「お友達」に見えましょう。

だいたい世襲議員は若くして当選します。所謂「看板・地盤・鞄」があるからですね。

そうして若くして「先生」と成り⇒長いこと政界にいますから、自然と「お友達」ができ、人脈のネットワークが出来ますね。

実務をこなしていけるのは、そうした人脈が有用だからでしょう。反世襲のミンシュ党さんがあれだけコケた後では、お友達ネットワークが魅力的に見えてしまいますね。

世襲でも構わないから、とにかく上手く政治をやってくれ!というのが、現時点の正直な国民感覚なのでしょう、おそらく。

私自身も勿論世襲組です。36歳で社長に成りました。

未熟者でも外に出れば「社長様」です。しかも「浅草のすき焼き屋の社長」という立場は、かなりモノ珍しいですから、「名刺交換させて下さい!」と常に言われます。

それ以前にも「お友達」はたくさんできていました。12歳で慶應中等部に入学し10年間義塾の熟成イヤ義塾の塾生として過ごしましたからね。

さらに!生理的に御酒をたくさん頂きますので、酒席を厭いません。いつの間にやら、

住吉さんて、本当に御顔が広いですねえ!

と羨ましがられるように成りました。

その一方で、そういう人間を心良く思わない人も、多分たくさんいるでしょう。

それは分かっています。でも、今更直しようがないんですよね。

私に出来ることは、世襲のメリット・お友達ネットワークを、すき焼き全体のため・日本の食全体のために活用することです。

メリットを自分一個の利益や保身に活用したら、それはサイアクです。世襲批判は免れられないでしょうね。そこが分かれ目かな、と思っています。

そんな折も折、慶應中等部の「キャリア講座」に出講することが決まりました。レッキとした正規の授業でして、中学生のために、OBが自分のキャリアについて話すのです。

私は、その演題を「会社を継ぐ、という人生」としました。

10人の講師が出て、生徒さんは、その中から選択できるのですが、私以外は学者さんとか、弁護士さん・お医者様・アナウンサーのお姐さんとか、当然ながら非世襲組です。

当初世襲社長であることを鮮明にしたものかどうか、迷いましたが、この際ハッキリさせることにしました。

「所属、役職等」を「株式会社ちんや(=創業133年の浅草の、すき焼き店)六代目代表取締役」とした上で、講義要綱は次のようにしました・・・

「他の講師の方々と違い、私は父や祖父と同じ職に就き、伝統的な食文化を護る仕事をしています。その経緯の中では心の葛藤もありました。ですので今回会社経営の話しや食の話しだけをする積りはありません。似たような環境の後輩に今伝えたいこと=仕事や人生の選択は逃げずに全て自分で選択しぬくことが大事です。そうすれば継いだ職でも素晴らしい職にすることは出来ます。必ず。」

世襲なのに「選択する」とは自己矛盾のようですが、

世襲のメリットを自己の為に活かす世襲と、

世襲のメリットを世の為に活かす世襲とは、選択できます。

そんな話しをする予定です。

生徒さん、何人来るかなあ。

追伸①

テレビ東京の番組『L4YOU!』の中の、「榎木孝明のふれあい散歩 年末の浅草編」というコーナーに出演させていただきます。

平成24年12月28日16時放送予定です。 是非ご覧ください。

番組について詳しくは、こちらです。

追伸②

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸③

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は327人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.029日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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