春菊の素揚げ
「東都のれん会」の打ち合わせが会員店の、東日本橋の「鳥安」さんでありました。
「鳥安」さんは、合鴨すき焼きの御店ですが、すき焼きと言っても、実際はオイル焼きです。
鴨の色々な部位の肉と野菜を、専用の鉄鍋の上に載せ、鴨の脂で炒めていきます。それを大根おろしと醤油で食べるのですが、実に旨い食べ方です。
鴨が旨いのは勿論なのですが、今回感心したのは春菊です。
鴨すきには、葱・春菊・しいたけといった、牛すき焼きととても良く似た種類の野菜が付いていますが、春菊の旨さは格別です。
その旨さの理由は、特製の鍋の構造に在るようです。
「鳥安」さんの鍋には、深さ2センチ、間口5センチほどの溝が造ってありまして、そこに鴨の脂が溜まります。
その溜まった脂で野菜を「素揚げ」にするわけで、これが実に旨いです。
この食べ方が、春菊の一番旨い食べ方ですよ!
と御主人は豪語しておいででしたが、
悔しいことながら同意します。
牛すき焼きでの春菊も旨いことは旨いですが、鴨脂での「素揚げ」に敵わないことを認めざるを得ませんね。牛すき焼きも少し工夫しないといけません。
また、「鳥安」さんは、「合鴨一品」と自称している通り、メニューが合鴨すき焼き1アイテムのみで、そのことにも驚かされます。
商売をする中で、間口を広げないことの重要性を教えてくれます。名店です。
追伸①
藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。
他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。
是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
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追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.060日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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