やってる感

浅草の飲食店主の人達が、コロナ中にどう考え、行動したかを聞き取る事業をしています。

その中で、たまに登場する言葉が「やってる感」。

これは、都や保健所から指導される衛生対策を励行しつつも、その一部を「適度」な形にする、という話しです。

「そこは「やってる感」にとどめておきましたね」

というような言い方になります。

事例としては、

十字アクリル板。

机の中央に置いて、前後左右の飛沫をブロックするものですが、それは採用せずに普通のアクリル板だけにしたお店が、浅草では多かったように思います。

普通のアクリル板は置きますので、隣の組との間の飛沫は止められますが、同じ組の中の飛沫はフリーになります。よって公衆衛生対策としては完璧ではないのですが、十字を採用しなかった店が多かったようです。

このように普通のアクリル板だけ置いて、「やってる感」は出せている、と称していました。語弊は大いにありますが。

そうした理由として、

机の上に、大きな障害物=十字板があると、

配膳しづらく、器の接触事故→液体をお客様にこぼす、が起こりかねない。

お客様自身が希望されていない=しばしば外して欲しいと言われる。

そもそも、同じ組のお客様同士の交流を妨げては、飲食店の本旨から外れる

完璧でない点では、後ろめたさがゼロではないですが、

今私は「これもバランス感覚」と捉えています。

衛生対策に勿論協力するだけれど、そのやり方は、店独自に判断させてもらいますよ、そういう態度だった店が多くありました。

聞き取りは続きます。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.472本目の投稿でした。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 10:32 AM  Comments (0)