卵の代わり

最近こちらが忙しくて成立しなかった取材に、すき焼きの卵に関するものがありました。
卵はすき焼きの材料の中で、一番問題のある食材です。理由としては、
・アレルギーを起こす人がある。
・生卵を食べる習慣のない国がある。
今回の取材でも「卵の代わりになるものはないか」探したいというのがありました。
では、そもそも何故すき焼きに卵が付いているのか、すき焼きに卵は必需品なのか。
牛鍋が食べ始められた最初の頃、卵は必ず付いていたわけではないようです。牛鍋以前の獣肉の店「ももんじや」でも卵が付いていないケースがあります。
誰が付けたのかは分かりませんが、誰かが積極的に付けたと思われます。
では、なんのために付けたのか?
・温度を下げる
・味をマイルドにする
・ゴージャス感を出す
現代人が理解しがたいのは「ゴージャス感」でしょう。現代では卵は大変安く供給されていますからゴージャス感が感じられないと思いますが、卵が貴重品で、肉+卵でゴージャス感を感じた時代もあったのです。
で、結局、卵の代わりになるものはないか?
例えば豆乳はどうか?
・温度を下げる→OK
・味をマイルドにする→卵ほど粘度がないので、上手く絡まず、味をマイルドにする効果が少し弱いように思いますが、まあOKでしょう。
・ゴージャス感を出す→うーん、私は豆乳では、心躍る感覚はないですねえ。
トロロ→食材としのインパクト・存在感があり過ぎて、温度を下げる+味をマイルドにするを逸脱しています。
おろしりんご→味が変わってしまい、温度を下げる+味をマイルドにするを逸脱しています。
なかなか卵に代わるものは見つからないような気が、私はします。

追伸、テレビ出演の告知です。
2020年元日放送の、
NHKスペシャル「東京ミラクル」第4集 老舗ワンダーランドー佐藤健・物々交換の旅
に出演させていただきます。
「東京ミラクル」は、2020オリンピックをひかえて東京の魅力を紹介するシリーズですが、今回は東京の老舗を紹介します。
東京は、関東大震災、東京大空襲で二度にわたり壊滅的な被害を受け、焼け野原となったにもかかわらず、世界最多の老舗店があります。
番組では、俳優・佐藤健さんが「長寿の秘訣の象徴」である老舗のとっておきの商品を、物々交換しながら訪ね歩き、伝統を受け継ぎながら進化を続ける常識外れの商売哲学を探って行きます。
*放送予定は以下の通りです。
<本放送>
1月1日(水)夜10:15〜11:04
<再放送>
1月2日(木)午前4:10〜4:59
<NHKオンデマンド>
本放送から1年間配信されます。

予告動画は、こちらです。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.592本目の投稿でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)