温情判決

長男を殺害した罪に問われた元農水次官の裁判で、懲役8年の求刑に対し6年の「温情判決」が出たそうです。
父はエリート官僚。長男は発達障害からやがて引きこもり、親子が最後まで通じ合えなかった果ての事件でしたが、そういう家庭内の構図がしきりと語られる一方で、被告の官僚としての業績がメデイアで語られることはあまりなかったように思います。
被告の熊沢英昭さんという方、私はお名前を記憶していました。歴代農水次官の名前を記憶しているわけではないですが、被告はBSE問題発生当時(2001年)の次官で、その対応に奔走した方だったので覚えているのです。
当時牛がよろめく映像はショッキングで食の安全が大問題になり、行政対応にも混乱が起きましたから、熊沢次官は責任を背負う為更迭という体裁で辞任しましたが、手腕が評価されていなかったわけではありません。
小泉首相の秘書官だった飯島勲さんも熊沢次官を評価していた人で、最近のインタビュー記事の中で、
「行政手腕は高く評価してたからね。同じ小泉内閣で、駐チェコ大使に任命して赴任してもらった。農水省高官として初めての大使起用だったけど、もともと国際派だから大活躍でさ。」
と語っています。
BSE問題に追われ、その後外国に赴任したとなると、息子さんとの時間を作りづらかったろうと想像します。
息子さんのご冥福をお祈りします。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.584本目の投稿でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)