過去最高額

過去最高額を食してみました。
どういう過去最高額かと申しますと、吉野家さんの過去最高。
14日午前10時から発売された「特撰すきやき重」が、それです。
特徴は、
・アメリカ産牛肉のサーロインを初めて使う
・通常の牛丼よりも甘めの味付け
で、価格は全国展開する牛肉商品ではこれまでで最も高いという1食860円(税込み)です。
食しまして、たしかに、「丼」というよりは「重」という感覚です。肉がしっかりしているせいで、そう感じるのでしょう。
肉を本格的にした場合に→味が甘くなる理由を知りたいところです。
肉の旨味成分が「丼」の場合より多いので、甘味とバランスするのかもですね。逆に申しますと、肉がザンネンな場合は、あまり甘くしない方が良いとも言えるかもしれません。
と、いうメニューではございましたが、食べながら気になってしまったのは、お店の人もお客さんも外国人が多いこと、それも有色の。どこの国から来て、どういう人生の航路を辿って、カウンターの中と外にいるのか、それが気になって、食べ物にあまり集中できなかったなあ。
ともあれ、50万食を売り切ったら終売とかですので、このブログがUPされた時点で残っているかどうか・・・

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削除要請

「全国のすきやき屋さんの紹介と、すきやきに関するミニ知識を紹介しています。」
というサイトを見つけました。
すき焼き屋になって、来年で25年ですが、このサイトは初めて見つけました。
が、
開けた途端に、
・・・
まずリフォーム業者への大きなリンクバナーが目に飛び込んできます。大きいです。トップページの最初の三分の一を使っています。「全国のすきやき屋さんの紹介と、すきやきに関するミニ知識を紹介」するサイトには到底見えません。その業者に誘導したいのでしょうが、すき焼きに興味のある人がリフォームのサイトを開けるかなあ。
が、
我慢してもう少し開けてみましょう。
「すき焼きについて」という項目に載っているのは、
「私たちの体を流れている血液は、ヘモグロビンを含む赤い個体成分で酸素を運んでくれる“赤血球”、無色のアメーバー状の個体成分で体内に侵入した細菌などをやっつけてくれる“白血球”、出血した時に血液を固めてくれる“血小板”、淡い黄色の液体で二酸化炭素や栄養素を運んでくれる“血漿”がありますが、中でも鉄分不足によって全身へ酸素を運搬する赤血球中の“ヘモグロビン”が減少すると、朝起きるのがつらくなったり、集中力が落ちたり、だるさ、目の疲れ、動悸・息切れなどといったさまざまな症状が現れ・・・」
「すきやきの肉について」という項目に載っているのは、
「また牛肉に多く含まれる“カルニチン”という物質は人の肝臓の中で合成されるアミノ酸で、体の脂肪を燃焼してエネルギーに変えるためになくてはならない物質ですが、私たちの体からは20代をピークにどんどん減って行ってしまいます。 これには加齢だけでなくストレスも影響しているということで、ストレス社会とも言われる現代は体内で生成されるカルニチンは全体的に不足しがちで、これを放置しておくことによって筋肉が落ちて、脂肪が体に蓄積されやすくなってしまいます。 というのも“脂肪”というのは細胞・・・」
ウチも、このサイトの「すきやき屋さん等 一覧」という所に勝手に載せられているんですよね。ひどいね。
削除要請しなきゃなあ。いや、多少のリテラシーのある方なら、こんなサイトは信用しないから、放置でも良いのかも。

*すき焼き屋の皆さん、皆さんも勝手に載せられてますよ。連絡下されば、URLをお教えします。

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フェーン現象

最近、新潟県村上市の卵生産者「オークリッチ」さんのFB投稿をみていたら、
「昨日からフェーン現象。13時に鶏舎の中は40度越え。
新潟ではお目にかかれない温度と湿度。
屋根に登って散水しても、熱風の南風が吹きすぐ乾く。
今日一番熱風に晒される鶏舎で5羽が暑さで死亡。
手の施しようの無い状況の中で、自分の技術と現実を思い知らされる。
こんな日でも卵を産み続ける鶏たちは凄い。」
これは、お盆の台風10号が上陸した日のことでした。
「オークリッチ」さんとは今年の2月に「卵を食べるためのすき焼き会」を開いたことがありました。寒い時季は卵を食べるには最高の時季です。日本海の極寒の気候に耐えて、鶏が必死に卵を産むからですね。
この、冬のイベントの時「オークリッチ」富樫さんは言っておられました。
寒さで死ぬ鶏は、そんなにいないですよ。むしろ暑さの方が問題なんです。
今年の猛暑に台風が加担して、そういうキツい状況になってしまったようです。
そう言えば、私も、猛暑に突入して以来、快調ではないなあ。
卵でも食べるか、な。

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餃子×ワイン

知人が編集長をしているワインの雑誌Wine-What!?(ワイン ホワット!?)の今月のテーマは、
餃子×ワイン
でした。「ワイン ホワット!?」では、これまでも
「日本の国民食 meets WINE シリーズ」
ということで、ワインと寿司、焼き鳥、焼き肉を特集してきましたが、今回の、ワイン専門家5人が参加した検証実験は4時間かかったというから大変なことですね。
餃子×ワインというと直感的には、かけ離れた感じがしますが、意外にも「まったくNG」という組み合わせは多くはなくて、
ヴィンテージものの熟成ワインや
フルーツ香りの強いシャルドネは
今市だったそうですが、イケる組み合わせが多かったということです。面白いです。
この企画では、普通に合わせる以外に、「もうひと手間」もやっていました。「ひと手間」とは餃子に、色々な調味料を加えることです。それも常識的なラー油とかだけでなくて、
バルサミコ酢とか
味噌ダレとか
を加えることです。その中で
餃子+バルサミコ酢+赤ワイン
はかなり美味しかったとか。
この結果は、かなり納得的です。ワインと餃子は、味覚の面でも食材の面でも距離がありますから、「つなぎ」があるとベターです。すき焼きの生卵にワインが合わないので、「つなぎ」が必要なのと似ていますね。
私はかねて、すき焼きにワインを合わせるには、溶き卵にヨーグルトを入れることが必要だと主張しておりますが、「つなぎ」の必要性を感じさせる結果が今回も出て良かったと思います。
「日本の国民食 meets WINE シリーズ」の今後が楽しみです。

追伸
地下1階「ちんや亭」にて、肉の食べくらべキャンペーン「めざせ13冠 ちょい食べGO!」を実施しています。是非ご参加下さい。
私自身は月曜と金曜に1点ずつ参加しておりまして、既にハンバーグ、ロールビーフ、サイコロステーキ、赤身すき焼きを食しました。

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8月12日

8月12日はQちゃんの命日です。
1985年(昭和60年)8月12日に御巣鷹山へ墜落した、JAL123便に坂本九さんが搭乗していたからです。
Qちゃんが『上を向いて歩こう』(「スキヤキ」)をヒットさせたのは1961年(昭和36年)のこと。さらに63年には全米1位になります。
御巣鷹の時点では既に国民的歌手でしたから、そのQちゃんが亡くなった衝撃は大きく、『上を向いて歩こう』は、その後鎮魂の曲として色々な場面で歌われるようになりました。神戸や東北の震災の後にも被災した人々を慰めたと聞きます。
『上を向いて歩こう』は元々悲しい曲=エレジーでしたが、Qちゃん自身の運命が、この曲のその後を決定したと言えましょう。
エレジーだがビートが効いているこの曲は、それだけで多くの人の共感を得る要素があり、実際世界中で繰り返しカバーされていますが、支持された音楽上の理由より、何故「スキヤキ」と命名されたかの方が話題になっているように思います。契約の為に来日したレコード会社の重役がすき焼きを気に入ったからだとか。最初は「サカモト」と韻を踏む為に「スキヤカ」だったが、後に「スキヤキ」に修正されたとか・・・
8月12日に際して、その件はさて置こうと思います。日本人が世界中にヒットさせた最大の歌であるこの歌が陽気なものではなくてエレジーだったということは、大変興味深いことだと思います。
九さんのご冥福をお祈り致します。

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ニッポンチ!

小学館の文芸雑誌「qui-la-la」(きらら)で河治和香先生の新連載「ニッポンチ!」が始まりました。
和香先生が、「駒形どぜう」の三代目を主人公にした小説『どぜう屋助七』(2013年)にウチのご先祖を登場させて下さって以来、新しい連載が始まるのを楽しみにしておりますが、今回は明治の浮世絵師を主人公にした小説です。登場する絵師の作品がウチにあったりしますので、なおさら楽しみなことです。
連載初回の8月号では、幕末の人気絵師・歌川国芳の顕彰碑を設立しようというプランが持ち上がるところから話しが始まります。
国芳は「天保の改革」(1841-43年)で綱紀粛正が行われている間、それに逆らうような絵を描いて、庶民から人気を博した絵師で、弟子も多かったので、没後に娘の「お吉」とその旦那が中心になって顕彰碑施設立運動が始まりますが、その資金を、なんと「お吉」の旦那が持ち逃げしてしまうのです。
さて、今後はどうなりますやら。
国芳には歌川芳虎、芳艶、芳藤、落合芳幾、さらには月岡芳年、河鍋暁斎といった弟子がいました。国芳が幕府に逆らう位の人だったので、弟子達の性格も皆ユニーク。その人物描写もまた、この小説の面白いポイントだと思います。
続きが楽しみです。
なお国芳の顕彰碑は、墨田区の三囲神社の境内に、本当に在ります。浅草から隅田川を渡った対岸ですから、浮世絵にご興味のある方は訪ねてみてはいかがでしょう。

「ちんや」が所有する浮世絵(明治の浮世絵)の画像は、こちらです。

追伸
地下1階「ちんや亭」にて、肉の食べくらべキャンペーン「めざせ13冠 ちょい食べGO!」を実施しています。是非ご参加下さい。
私自身は月曜と金曜に1点ずつ参加しておりまして、既にハンバーグ、ロールビーフ、サイコロステーキ、赤身すき焼きを食しました。

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時事ネタ

宴会の乾杯の前に「笑顔」についての長高説をうかがうことが増えました。
もちろん、シブ子さんのせい、いや、シブ子さんのおかげです。
人生における笑顔の大切さについては、私も異論はございません。
彼女の笑顔が素敵であることにも、異論はございません。
が、
笑顔だけで全英を制覇できたわけではないですよねえ。
ゴルフそのものについての解説が、どうも少なすぎますよ、ね。
テレビで繰り返しやっているのは、パターの練習方法。
練習するパターの長さを、1メートルから10メートルまで、1メートルきざみで設定し、全部続けて成功するまで、その練習を止められない、というアレです。
良い練習法方法とは思いますが、全英を勝てたという説明には不十分だよね、と思っていると、すぐに話題は変わって、シブ子さんが愛食しているという、変な商標の駄菓子の件。
ここでややシリアスなことを申しそえますと、「愛食している駄菓子」のことばかり報道することは、私は大反対です。SDGsの観点で。真剣に。
過剰発注→過剰生産→見込み違い→廃棄、食品ロス
という流れが見えるからです。
結局、普通に地上波の情報番組を視ているだけでは、ゴルフのことは良く分からないようです。取材している方々が、本当にシブ子さんのゴルフについて分かっておいでなのか、疑問が湧いてきてしまいます。
で、話しは戻って「笑顔の大切さ」の話しになって行くわけです。
私も挨拶などさせていただく機会がありますが、一知半解で時事ネタを語るのは避けようと心に決めています。

追伸
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飛騨牛

先日岐阜市の日本料理屋「ひら井」さんに伺い、岐阜県の業界の方とご一緒した時のこと、こんな↓話しを聞きました・・・
お客様が「岐阜の名物は、なんと言っても飛騨牛だ」と思っていて困るんですよね、他にも美味しいものはたくさんあるのに、飛騨牛がコースに入っていない場合は、事前にそれを伝えておかないとクレームになってしまうんですよ。
私は岐阜の名物は鮎だと思っていましたので、飛騨牛が入っていなくても、クレームをつけようとは全然思いませんが、実際は飛騨牛こそが必須アイテムだと言うのです。へええ。
そう言えば、飛騨牛は何故有名なのか? 私はずっと不思議に思ってきました。
近江、松阪、神戸なら戦前から有名です。それも、元々世間での高い評判がありましたから、無理やり有名にしなくても有名だったわけです。
しかし飛騨は違います。後発で、それを県が主導して有名にしたのです。ブランド化に県が積極的に関与し、予算も投入されてきました。
1981年に優秀な種牛が導入され、その後の飛騨牛は、その血統が主流になりますが、購入費は県が出し、牛さんの名前も当時の上松陽助岐阜県知事が「安福号」とつけました。1986年に牛を皇室に献上した時も知事が行いました。
こうした飛騨牛のブランド化が上手く行ったので、その後各県がマネをしました。今日本には数えきれない位牛のブランドがありますが、飛騨牛は、その先行事例と言えると思います。
で、肝心の何故有名なのか、ですが、私は結局よく分かりません。

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酒の銘

高校生が料理する店として有名な「まごの店」が、期間限定で東京日本橋の県産品ショップ「三重テラス」でイベントをするというので行ってきました。
「三重テラス」に少し早く着いたので、県産品の売場を物色しておりますと、酒の棚に
特別純米酒「松阪牛」
というお酒を見つけました。
ま、松阪、牛?
酒の銘が牛なんです、ね・・・
ラベルには牛の図案と、英語で
Matsusaka beef of the world
と印刷されています。zではなくでsであるのはミスプリではなく、現地の方々は「まつさかうし」と発音しています。
早速飲みます。
「超辛口」と表記されていて、その日本酒度はなんと『+25』なのだそうですが、お米の味わいが感じられて、香りも穏やか。体感では「超」ではなく、美味しいと思えました。
銘の件も、蔵のすぐ近くには松阪牛の牧場があり、蔵で使われている水と同じ水が松阪牛にも与えられているとかですので、事実関係として問題はなさそうです。
まあ、商標の世界では、コンピューターに「アップル」という名を付ける人がいる位ですから、異常なことではないです。
が、最初の違和感はすぐには抜けないですねえ。

追伸
本日13日は火曜日ですが、夏休み中ですので、「ちんや」は臨時営業致します。どうぞ、ご利用下さいませ。

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春鼎寮美食会

近江八幡のすき焼き店「毛利志満」の森嶋さんが、2017年から会社のPR誌を発刊されています。
名付けて「ネノネ」。
歴史的な「ルーツ=根」から聴こえる音。もうひとつが、周辺のさまざまな生産業者さんとの「繋がり=根」から発する音。「ネノネ」とはこの二つの音色を意味しているのだそうです。ユニークですね。
タイトルがユニークなら中身も、かなり掘り下げたものでユニークです。私の知る限り、すき焼き屋のPR誌の中で、こういうのを見たことがないです。
今回のテーマは、
「春鼎寮美食会」。
この美食会を知っている人は、相当な通人だと思います。
「春鼎寮美食会」は「毛利志満」さんのご先祖が東京で運営していた会員制料亭で、魯山人の「星岡茶寮」のライバルと目されていたものですが、資料も少なく、あまり知られていません。今回その少ない資料を森嶋さんが研究して書いておられます。
ご先祖が美食会を始めるにあたって組んだのは加藤春鼎(初代)という陶芸家でした。初代春鼎は陶芸だけでなく、絵や書もできる器用で、しかも見識が広い人だったらしく、『陶器を見る眼』『陶磁往来』(いずれも昭和14年)という本も出していますが、美食会の件はほとんど忘れられていて、当代(三代)春鼎さんも、
「はっきりしたことは分からないのですが、昭和初期に東京の飯倉辺りで春袋楼美食会という、食と器の会のようなことをやっていたようです。 私もまったく知らなくて研究者の方が「寛閑觀」という本を持ってきてくださったのです。 それによると、会自体は竹中平蔵という方が企画していて、2000人くらいの会員がフランス料理や日本料理、中華料理などを楽しんでいたようです。 そこで使っていた器をはじめ、会場の襖から掛け軸まですべて祖父が作っていたようです。 それが残っていたらいいのですが残念ながら何も残っていません。 この本も研究の方が神田の古本屋で見つけてきてくれたものなので・・・」と書いています。
「星岡」だけが有名なのはバランスが悪いとすぐに分かりますが、有名・無名って、そういうものなのかなあとも思ってしまいます。
勉強になりました。

追伸
明日13日は火曜日ですが、夏休み中ですので、「ちんや」は臨時営業致します。どうぞ、ご利用下さいませ。

Filed under: 飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)