世界屠畜紀行
今日は投票日。
今年の選挙では浅草に遊説に来た候補が少なかったような気がします。
浅草に行っても、いるのは外人ばかりだよ!
と思われているなら困った事態です。浅草に来た候補が当選することを祈念します。さて最近、
新刊本を紹介する記事を読んでいて「!」 著者名に見覚えがありました。
見覚えがあったのは『ストーカーとの七〇〇日戦争』(文藝春秋)の著者・内澤旬子さん。
私は以前、この方の『世界屠畜紀行』(2007年)を読んだことがあるのでした。
その内澤さんが今回ストーカー被害に遭い、そのルポを書いたとかですので、購入して読んでおりまして、やたらと面白いのですが、このブログは食べものブログであって、ストーカーはあんまり関係ないので、今日は屠畜紀行のことです。
『世界屠畜紀行』は、それまで正面きって描こうとする人が少なかった、屠畜に迫ったルポで、こんなスキマ分野の本なのに15.000部を超えるヒットになりました。その後角川文庫にもなっています。
内澤さんは、これで一気に注目を集めましたし、私も自分と同世代の女性が、屠畜というものを、ここまで描写しているのに驚かされました。
イスラム世界での羊の屠畜方法や、韓国での犬の屠畜、アメリカの超大型牛屠畜工場にも潜入して描き出しています。
東京の屠畜場にも通って、作業員の人と仲良くなってしまい、現代のシステマティックな方法が普及する以前の方法=名人が一人で牛一頭を全部処理する方法を聞き出して描いています。
大した本です。私は、屠畜に関する知識の結構な割合を、この本に依存しています。
例えばハラル肉について、私は専門外ですが、質問された時にある程度答えられるのは、この本を読んだからです。
今回の本でストーカーに興味をもった人が、屠畜にも興味を持つと良いなと思います。
ただし、この『屠畜紀行』は現場ルポでして、屠畜産業や食肉産業への差別意識とか、それを取り巻く社会のことなどは、あまり考察していません。そういうご興味がおあり方には向きませんので、お報せまで。
追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。